オーディオの足跡

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LS5/12Aの画像
 解説 

BBCが小型スピーカーの新しいリファレンスとして開発したLS5/12A Grade 1 Miniature Monitor Loudspeaker。Grade1とは、スタジオから送信機へ送る前の段階での音声チェックに使用する最高グレードのモニタースピーカーという意味で、LS5/8、LS5/9、LS5/12Aなどが使用されました。
ちなみに、LS3/5Aはスピーチ・プログラムのチェック用でグレード2とされています。

低域には11.5cmコーン型ウーファーである15W7508BBC(Dynaudio製)を採用しています。
7.5cmの大口径アルミボイスコイルを使用し安定した再現能力を得ています。

高域には2.8cm口径のドーム型トゥイーターであるD-260BBC(Dynaudio製)を採用しています。
このユニットにはフェロフルイド・クーリングが採用されており、磁性のオイルをボイスコイルに塗布することにより、ボイスコイルが高熱になった場合の熱拡散を促進することで耐久性を高めています。
また、リア・チェンバーを入念に成型・ダンピングすることで優れたトランジェントと低歪を得ています。

ユニットには磁束漏洩を防ぐシールデッド・マグネットを使用しており、TVモニターとしての使用も可能になっています。

ネットワーク部は、ユニットの特性をスムーズにした事により、シンプル化を可能にしており、複雑な特性補正ネットワークを排除してます。また、エア・コア・インダクター等の最高級グレードのコンポーネントを使用し、基板も通常の1オンスではなく5オンス銅を使用しています。

エンクロージャーはCADに基いて設計されており、小さな容積から豊かな低域を獲得することを目的として、リア・バスレフ・ポートにはとりわけ入念な配慮をしています。このバスレフポートにはエンクロージャーサイズと比較して異例に大きなポート口径を採用し、形状と構造を最適化することで低域レスポンスを改善しています。
また、フロントバッフルにはラウンド処理を施す事で音波回折を防いでいます。
仕上げはローズウッド仕上げとなっています。

スピーカー端子にはバイワイヤリング接続対応、バナナプラグ仕様のものを採用しています。

各ユニットにはスムーズな特性と許容入力を持たせ、さらに許容誤差0.25dB以内という基準をクリアしたものを採用しています。

システムの最終的なバランスは、BBCのスタジオで各分野のプロを集め、スピーカー出力とライブ演奏の音を比較するなど、集中的な試聴によって最適化しており、無響室での理論的測定値だけでなく、現実の使用条件での再現性に重点を置いて磨き上げられています。

機種の定格
方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型・簡易防磁型
使用ユニット 低域用:11.5cmコーン型(15W7508BBC)
高域用:2.8cmドーム型(D-260BBC)
周波数特性 80Hz~20kHz ±3dB(2m、グリル装着時)
70Hz -6dB
ペアー・マッチング 0.75dB以内
出力音圧レベル 81.5dB/W/m
インピーダンス
最大入力 50W~150W
クロスオーバー周波数 2.5kHz
外形寸法 幅184x高さ295x奥行227mm
重量 7kg