オーディオの足跡

PR:ヤフオク!で中古オーディオを検索

Transar/atdの画像
 解説 

全帯域にエアモーション伝達方式を応用したフルレンジ・ハイルスピーカーシステム。

中域と低域には4連構成のハイルドライバーを搭載しています。
このユニットは垂直方向に重ねられた正方形のダイヤフラムで構成されており、これらのダイアフラムは4本のグラファイトファイバーの棒によって同時に駆動され、同一のボイスコイルとマグネットアッセンブリーを共有する構造となっています。ダイアフラムが信号によって上下に駆動されると、各ダイアフラムの上部と下部にあるバッフルにそれぞれ反射し、同一音が前後に放射されます。
この構造では共振を起こす面積部分を多数箇所に分離して小面積としダイアフラムを上下ピラミッド形構造すると共に、駆動点間の距離や材質の剛直性を検討して設計する事で、共振周波数をクロスオーバー周波数の外に持つことに成功しています。
また、4つのダイアフラムの接続にグラファイト棒を用いており、質量が小さく、極度の剛直性と弾性を得ています。特に弾性は回復能力によってコイルから全てのダイアフラムに対して瞬間的に情報の伝達を行う事が可能にしており、これによって音の透明度を高めています。
垂直に重ねられたダイアフラムは音の水平方向の拡散に効果を持っており、滑らかな音の拡散を実現しています。また、従来のスピーカーでは音の発生箇所が点または面であるのに対し、ハイル式は線となっており、ダイアフラムから音が出てるように聴こえない音を実現しています。
4連ダイアフラムを1個のボイスコイルとマグネットアッセンブリーで共有する事で全システムの有効重量は著しく減少しており、エネルギーを内部に蓄える事なく効率よく空気に伝達しています。また、軽量であるためダンピングが良く、自然な低音を実現する事でブーミング効果がありません。

高域にはエアモーション方式のハイルドライバーを搭載しています。

サブウーファーが付属しており、トランザーの最低音部を補充しています。
ユニットには30cmウーファーを搭載しており、中低域用ハイルドライバーのダンピング特性をマスクする事のないよう90Hz以下の帯域を受け持っています。
また、床面に向けて放射する事で無指向性と輻射を利用し、3D方式による最低音域のワイドレンジ化を構成しています。

ネットワーク部は高域用ハイルドライバーと中低域用ハイルドライバーのクロスオーバーは周波数を1kHzに設定し、18dBローカットと12dBのハイカットで構成しています。また、中低域用ハイルドライバーとサブウーファーのクロスオーバーはチャンネルアンプによって90Hzに設定し、各ドライバーの帯域内を無理なくドライブするよう設計されています。
また、各チャンネルのバランスコントロール調整が可能となっています。

サブウーファーを左右独立構成にした構成や、オールネットワーク(3WAY、200Hz、1kHz)仕様、オールマルチアンプ仕様などは特注対応となっていました。

機種の定格
方式 3ウェイ・3スピーカー・フロア型
使用ユニット 低域用:30cmコーン型(3D方式)
中低域用:4連ハイルドライバー
高域用:グレートハイルドライバー
周波数特性 25Hz~20kHz ±3dB
出力音圧レベル 96dB/m
許容入力 200W(Clean Power)
クロスオーバー周波数 1kHz
90Hz(サブウーファーハイカット)
外形寸法 本体:幅710x高さ1,150x奥行400mm
重量 本体:38kg