オーディオの足跡

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 解説 

ハイルドライバーと呼ばれる独自のユニットを搭載したフロア型スピーカーシステム。
amtは"Air Motion Transformer"の略です。

ハイルドライバーは動電型の一種で、"空気を圧縮・放射させて音を再生させる"原理に基づいており、アメリカのハイル科学研究所のオスカーハイル博士によって開発されました。
このユニットは、約5.5kgのフェライトマグネットとラミネート・ポールピースにより構成された磁界の中にエレメントを置いた構造となっています。このエレメントは、最適なダンピング特性を持つ高分子の皮膜が、自由に伸縮できるようなアコーディオンプリーツ状になっています。
プリーツには導電帯が埋め込まれており、信号電流が流れると向い合ったプリーツが引き合い、その中の空気を圧縮・放射します。隣のプリーツは逆に広がり、反対側から空気を吸入します。この動きが半サイクルで、残りの半サイクルは全く逆に動作します。
このプリーツは、17本のヒダになっており、面積にすると約230mm2と広く、しかも空気を圧縮・放射する動作により、ホーンスピーカーよりも高い能率を得ています。
この構造によりハイルドライバーは優れた特性を得ており、さらに前面と後面が全く対称な構造で、広角になっているポールピースにより音は拡散され、無指向性に近い広指向性を実現しています。
また、エレメント部は質量の小さい高分子の皮膜(0.012mm)による構造上、5kHzで20μsときわめて早い立ち上がりを実現しています。

低域には25cmコーン型ウーファーを採用しています。
ハイルドライバーの特性に対応できるよう、特にダンピング特性や低歪率を重視して設計されています。

室内の音響特性に合わせるため、3段切換のアッテネーターを搭載しています。
600Hz以上をBright、Normal、Softに、2dBステップで切換えることができます。

ドライブ中に不意な異常入力が加わっても、内蔵のヒューズによりスピーカーを保護します。

ウーファー用のエンクロージャーは高密度材により造られており、低音のダンピングと拡散を重視してバスレフ方式を採用しています。さらに最低音は吸音材によってダンプされ、キャビネット底面のダクトから背面に放射されるようになっています。
外装はウォルナット仕上げで、ハイルドライバーの指向性を重視して五面が覆われたユニークなサランネットを採用しています。

機種の定格
方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・フロア型
使用ユニット 低域用:25cmコーン型
高域用:ハイル・ドライバー
周波数特性 45Hz~24kHz ±2dB
入力インピーダンス
歪率(SPより1m、音圧90dB時) 600Hz~24kHz:0.5%
60Hz~600Hz:1%
方形波立ち上がり時間 20μs(5kHz)
許容入力 350W(ピーク入力)
クロスオーバー周波数 600Hz
外形寸法 幅362x高さ787x奥行362mm