DIATONE LT-5
¥69,800(1981年発売)
解説
リニアトラッキング方式を採用したフルオートプレイヤー。
アームがレコード盤上を直線移動するリニア・トラッキング方式を採用しています。
リニア・トラッキング方式では、音溝の接線方向を正しくトレースするため、トラッキングエラーや高調波歪を減少させることができます。また、インサイドフォースの発生が無いため、針先の対称コンタクトが可能になり、全体的にトラッキング能力の向上が図れます。
トーンアームを固定する移動ベースの駆動にはステンレスワイヤーを採用しています。このワイヤーは、直径0.05mmの細線を49本より合わせ、ナイロンコーティングを施す事で、優れた耐久性と柔軟性を実現しています。
また、トラッキングエラーは、アーム後方の2個のフォトダイオード出力の電位差により検出しています。
レコードサイズの検出には、光学システムを応用したレコードサイズ自動検出機構を採用しています。
この方式では、リフレクターで光を斜め上方から照射し、ターンテーブルシート用リフレクターからセンサーへ光を導き、レコードのサイズに応じて光を照射/遮蔽することでセンサーの出力を変化させています。この出力がロジック回路に送られ、レコードサイズが自動的に検出されます。ここで検出されたレコードのサイズをもとに、針降下位置や回転速度が自動的に決定されます。
クイック・レスポンス機構を搭載しており、アームがオート動作で上昇中/降下中でも、ボタンで次の動作を指示すれば直ちにその動作に移ります。
操作ボタンには、マイクロスイッチを使用したフェザータッチ式を採用しています。
フルオート機構にはEC(電子制御)回路を採用しています。この回路には、複雑な動作を正確に制御するため、1チップのLSIを採用しています。
針先保護機能を搭載しており、ターンテーブルにレコードが無い時はトーンアームが降下しません。
ノイズをカットするミューティング機構を採用しています。
トーンアーム部のピボットのスパンを拡げる事でパイプ部のガタを無くし、垂直、水平方向とも高い感度を実現しています。
トーンアームの材質にはステンレスを採用しており、パイプ部のタワミを減少させています。
また、アーム内導線、ヘッドシェル導線に、特殊被覆を施したOFCu(無酸素導線)を使用しており、ヘッドシェルからピンプラグまでのトータルDC抵抗を抑えています。
ターンテーブルの駆動には、水晶発振器の基準信号によってモーターの回転数を制御するクォーツPLL方式によるダイレクトドライブ方式を採用しています。また、精密に仕上げられた軸受け機構の高トルクDCサーボモーターを採用することで、安定した回転を実現しています。
キャビネットには木製キャビネットを採用しています。
機種の定格
型式 | リニア・トラッキング電子制御フルオート・プレイヤー |
<ターンテーブル部> | |
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
モーター | 4相12極クォーツPLL・DCサーボモーター |
ターンテーブル | 304mmアルミ合金ダイカスト製、1.3kg |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
ワウ・フラッター | 0.025%(WRMS、JIS) |
SN比 | 78dB(DIN-B) |
<トーンアーム部> | |
形式 | スタティックバランス、ユニバーサルストレートパイプ |
全長 | 220mm |
有効長 | 171mm |
トラッキングエラー角 | ±0.1゜以下 |
針圧調整 | 0~3g直読式(0.1gステップ) |
ヘッドシェル | ガラス繊維入強化プラスチック |
カートリッジ取付重量範囲 | 10g~18g |
<総合> | |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 14W |
外形寸法 | 幅424x高さ142x奥行417mm |
重量 | 10kg |
付属 | ダストカバー オーバーハングゲージ 45回転アダプター 六角レンチ |