オーディオの足跡

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DS-V9000の画像
 解説 

ダイヤトーン音響技術の粋を結集して開発されたフロア型スピーカーシステム。

低域には40cmコーン型ウーファーを搭載し、中低域には25cmコーン型ミッドバスユニットを搭載しています。

ウーファーとミッドバスの振動板には、アドバンスド・イントラプライ・ハイブリッド・ハニカム振動板を採用しています。
この振動板は、表スキンの高剛性化によるハイスピード再生能力と適度なロス、ウラスキンによる信号が消えたあとの減衰美を追求したイントラプライ・ハイブリッド・ハニカム振動板がベースとなっています。
アドバンスド・イントラプライ・ハイブリッド・ハニカム振動板では、表スキンに、芳香族ポリアミド系アラミッドとPAN系高強度炭素繊維のイントラプライと、あらたに芳香族ポリアミド系アラミッドを重ね合わせています。また、裏スキンにも芳香族ポリアミド系アラミッドを配し、アルミハニカムコアをサンドイッチしたダブルハイブリッド構造となっています。これにより、高強度剛性や軽量でしかも適度な内部損失を持つ芳香族ポリアミド系アラミッドの特徴と、極めて高い比弾性率を持つPAN系高強度炭素繊維の長所を活かした振動板を実現しています。

ウーファーとミッドバスの磁気回路にはA.D.M.C.(Advanced Magnetic Circuit)を採用しています。
この磁気回路は、フェライト・アルニコ・防磁型などの様々な磁気回路を複素法や有限要素法などのあらゆる視点から解析・追求することで実現したもので、直流磁束の分布形状、ボイスコイル電流の交流磁束による電流歪、磁束内の交流成分などによって発生する磁気歪の低減を図っています。
A.D.M.C.では、ボイスコイルと交差する直流磁束分布形状の対称性を高めるためセンターポール形状の見直しがされています。そして、センターポールの上下に導電性のショートリングを配することで交流磁束を相殺しています。これにより直流と交流の重畳で生じる磁気変動を抑え磁気回路を安定させ、高調波歪を低減しています。さらに、マグネット内の交流磁束による直流磁界への悪影響も抑制しています。

さらに、ウーファーとミッドバスにはアドバンスドD.M.M.(ダイレクト・マグネット・サーキット・マウント)を採用しています。
D.M.M.では、ユニットの高剛性化を目指すため磁気回路全体をフレームで強固に固定しており、優れた立ち上がり特性を実現しています。アドバンスドD.M.M.はこれをさらに発展させたもので、基本波に対しては高剛性化によって磁気回路をしっかりと抑え込み、高次モードに対しては早く自然に減衰させています。これによりセンターポールの固有音と、中高域を汚すフレームの固有音を抑え、S/Nの良い高解像度再生を実現しています。

中高域には6.5cmドーム型ミッドハイユニットを搭載し、高域には2.3cmドーム型トゥイーターを搭載しています。

ミッドハイとトゥイーターにはB4C(ピュアボロン)振動板を採用しています。
ピュアボロンは、チタンの5倍、ボロナイズドチタンの2.2倍の比弾性率を有しており、さらに非金属であるため適度な内部損失もあわせて持っています。しかし、2,450℃という非常に高い融点を持つため、従来の技術ではドーム型に成型するのが不可能でした。
ダイヤトーンでは、独自のプラズマ溶射法によって15,000℃という高温でプラズマ溶射を行い、さらに不活性ガス雰囲気中で高温焼成する方法によってこの問題を解決しています。これにより、B4C粒子間の結合が強く、空孔も少ないピュアボロンダイアフラムを実現しています。

B4C振動板の特性を最大限に活かすため、ミッドハイとトゥイーターのユニット構造にはD.U.D.とD.M.構造を採用しています。
D.U.D.構造は、ボイスコイルに発生した駆動力を損失なく振動板に伝達できるため、高音域の減衰が少なく入力信号に対する応答性が改善しています。また、高域共振周波数を高く設定できることや、高い放熱効果によって入力信号へのリニアリティや耐入力性を高められるなどの特徴を持っています。
また、D.M.(ダイレクトマウント)構造は、ダイヤトーン独自の高剛性ユニット構造で、磁気回路のプレート部をマウントプレート化したモノコック構造によって磁気回路を直接エンクロージャーにマウントでき、ユニットを全体から高剛性化しています。

全ユニットの防磁カバーには、磁気特性に優れ、高剛性と減衰特性の高いバランスを持ち、ピアノフレームなどにも使用されている球状黒鉛鋳鉄を使用しています。これにより外部からの磁気干渉を防いでいます。

ネットワーク部は、磁気干渉と振動の影響がネットワークに対し最も少ない条件とするため分割構成としており、その上で胴体素材の検討や配置の決定など徹底した見直しを図っています。
ネットワーク回路には全て最高純度の無酸素銅線を使用しており、ワイヤリングにも同じ無酸素銅線を用いています。また、スリーブ圧着方式による結合や、ダイレクトバランス給電方式を採用しており、ネットワーク部での音質劣化を抑えています。

入力端子は低域用と中高域用とが独立した2組の端子を搭載しており、バイアンプ接続が可能となっています。
全ての端子には金メッキが施されています。

エンクロージャー内部でのユニット間の相互干渉を防ぐため、ミッドバス周辺にラウンド形状のバックチャンバーを装着しており、ミッドバスユニット後方を独立した空間としています。素材には高剛性でありながら響きの美しい材質を選別採用しており、さらに完璧なR形状とすることで、背圧に耐える高剛性構造を実現しています。
さらに、ユニット裏面の放射インピーダンスをコントロールすることで、キャビネット内縦方向の定在波抑止にも寄与しています。

エンクロージャーは音放射解析によって各ユニットの最適配置を決定しています。また、エンクロージャー全体の構造も徹底して吟味されており、高剛性の手法を隅々まで推し進めると同時に減衰特性をさらに追求しています。
フロントバッフルには減衰特性に優れ、響きの美しい38mm厚のシベリアカラ松合板を採用しています。さらに、剛性強化のためにコンピューター解析を駆使し分散共振型とすると同時に、エンクロージャーの四隅を高剛性のタモ挽き板で補強しています。

専用のアコースティックベースが付属しています。

機種の定格
方式 4ウェイ4スピーカー・バスレフ方式・フロア型・防磁(EIAJ)タイプ
使用ユニット 低域用:40cmコーン型
中低域用:25cmコーン型
中高域用:6.5cmドーム型
高域用:2.3cmドーム型
公称インピーダンス
再生周波数帯域 18Hz~80kHz
出力音圧レベル 92dB/W/m
クロスオーバー周波数 300Hz、1.25kHz、4kHz
最大入力 180W(EIAJ)
外形寸法 幅652x高さ1,080x奥行497mm
重量 125kg
付属 アコースティックベース