DIATONE DS-73D
¥59,800(1台、1982年発売)
解説
各ユニットに独自の新技術を投入することでデジタルソースへの対応を図ったスピーカーシステム。
低域には32cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板にはポリクラフト・ハニカム・コンストラクション・コーンを採用しており、抄紙パルプに特殊樹脂を含浸したスキン材と樹脂含浸したクラフト・ハニカム・コアを、ポリアミド系接着剤で接合した構造となってます。これにより、紙の4倍、ポリプロピレンの11倍という高い比弾性率を得るとともに、紙よりも20%高い内部損失を実現しています。さらに、分割振動による歪も大幅に低減しています。
磁気回路には低歪磁気回路を採用しており、低歪リングを装着することで駆動系から発生する歪を排除しています。
中域には10cmコーン型スコーカーを搭載しています。
振動板にはダイヤトーンが独自の技術によって開発した音響素材であるC.F.P.コーンを採用しています。C.F.P.では、内部損失の大きなポリプロピレンに剛性の高いカーボンファイバーを加えて強化し、さらに独自の成型技術で射出成型することによって、特に材質の均一性の高い振動板を実現しています。
さらに、センターキャップの素材には軽質量で高硬度のω-チタンを採用し、高域特性を改善しています。
高域には2.5cmドーム型トゥイーターを搭載しています。
ダイアフラムにはD.U.D.ω-チタン振動板を採用しています。ω-チタンはチタン振動板を特殊雰囲気中で表面硬化処理させることによって比弾性率を高めたもので、これを、ボイスコイルボビンとダイヤフラムを一体化させるD.U.D.構造とすることで、広帯域化、伝達ロスの減少、高域減衰特性、リニアリティの良さ、耐入力性などの諸特性を向上させています。
ネットワーク回路には素材から検討することで低歪化を図っており、さらに結線は全て直流抵抗の少ないOFCによる圧着ワイヤリング法を採用しています。
中域と高域にはレベルコントロールを搭載しています。
このレベルコントロールはゼロポイントのときにダイレクト接続となる回路構成を採用しています。
フロントバッフルには左右対称のユニット配置を採用しており、音像定位を改善しています。
また、エンクロージャーには分散共振構造を採用しており、共振モードを分散させることで箱鳴り現象を防いでいます。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:32cmコーン型 中域用:10cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型 |
公称インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 35Hz~30kHz |
出力音圧レベル | 91dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 600Hz、5kHz |
レベルコントロール | 中域:3ポジション(600Hz~5kHz) 高域:3ポジション(5kHz~30kHz) |
最大入力 | 80W |
外形寸法 | 幅370x高さ680x奥行330mm |
重量 | 21kg |