DIATONE DS-53DII
¥49,800(1台、1985年頃)
解説
ω-チタンS振動板を採用したブックシェルフ型スピーカーシステム。
低域には27cmコーン型ウーファーを搭載しています。
このユニットの振動板には抄紙パルプに特殊樹脂を含浸したものを使用しており、紙の持つ大きな内部損失を生かすと同時に高剛性化を実現しています。さらに、周辺部が補強されるラジアル状コルゲーションによって振動板の高剛性化を図り、再生帯域を拡大しています。
中域には10cmコーン型スコーカーを搭載しています。
振動板にはダイヤトーン独自のCFPコーンを採用しています。この素材は内部損失の大きなオレフィン樹脂に剛性の高いカーボンファイバーを加えて強化したもので、さらに独自の成型技術でインジェクション成型することで0.2mm薄さを実現するとともに、中高域振動板として特に強度が必要な振動板内周部には厚みを持たせています。さらにカーボンファイバーを放射状配向とすることで高剛性で均一性に優れた振動板を実現しています。
また、スコーカーのセンターキャップ素材にはトゥイーターにも使用されているω-チタンSを採用しており、タンジェンシャルエッジと相まって高域特性を改善しています。
高域にはω-チタンS振動板を用いた2.5cmドーム型トゥイーターを搭載しています。
ω-チタンSは、高い比弾性率と適度な内部損失を持つω-チタンを発展させたもので、新たな硬化処理を施すことで比弾性率を従来のチタンに比べての35%向上させています。
さらに、トゥイーターではダイアフラムとボイスコイルボビンを一体化するD.U.D.構造を採用しており、ボイスコイルに発生した駆動エネルギーを損失無く振動板に伝達することで、入力信号への応答性を大幅に改善しています。また、放熱硬化も改善されることで入力信号に対するリニアリティやピーク耐入力性も大幅に向上しています。
ネットワーク回路は低歪化を図るため、素材から検討されています。
DS-53DIIでは、結線は全て直流抵抗の少ないOFCによる圧着ワイヤリング法が採用されてます。
中域と高域にレベルコントロールを搭載しています。このレベルコントロールはゼロポイントの時にダイレクト接続となる回路構成を採用しています。
エンクロージャーには分散共振型エンクロージャーを採用しています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:27cm コーン型 中域用:10cm コーン型 高域用:2.5cm ドーム型 |
定格インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 38Hz~30kHz |
出力音圧レベル | 91dB/W |
クロスオーバー周波数 | 700Hz、5kHz |
最大許容入力 | 120W(EIAJ) |
外形寸法 | 幅320x高さ610x奥行316mm |
重量 | 17kg |