オーディオの足跡

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 解説 

ブックシェルフ型を越えるブックシェルフを目指し、デジタルオーディオにも対応を図った4ウェイスピーカーシステム。

DS-505はミッドバスユニットを加えた4ウェイ構成となっており、ミッドバスユニットにファンダメンタル帯域を受け持たせています。こうすることで従来の3ウェイでは困難であった低音域の質的向上と中音域の高分解能の両立を図っています。

低域には32cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板には新開発のアラミッド・ハニカムコーンを採用しています。アラミッド繊維は芳香族ポリアミド系の繊維で、材料自身の特長として高強度、高弾性の性質と、低密度と適度の内部損失を兼ね備えています。ダイヤトーンではこのアラミッド繊維で強化される可撓性レジンを特殊配合し、樹脂自身に大きな内部損失を持たせ、このスキンとアルミ・ハニカム・コアを接着したハニカム振動板として成型しています。
また、ボイスコイルには従来の芳香族ポリアミド・フィルムの3倍のヤング率を持ち、耐熱、耐寒性に優れたポリイミド・フィルムを採用しており、耐入力性を飛躍的に高めるとともにボイスコイルで発生した駆動力が損失なく振動板に伝わるように設計されています。
磁気回路には低歪磁気回路を搭載しています。この方式では磁極空隙近傍部に磁化特性の直線性が優れたニッケル系磁性合金材料を治金工学的アプローチで開発・装着しており、非直線歪を低減しています。さらに、磁性空隙部の磁束密度分布の不均一性に基づく歪に関してもポールピース及びプレートの形状、寸法、材質などの影響をコンピューターにより解析し、磁束密度分布の均一な歪の少ない構造を実現しています。

中低域には16cmコーン型ミッドバスユニットを搭載しています。
このユニットにはウーファー同様にアラミッド・ハニカムコーンやポリイミド・フィルムを用いたボイスコイル、低歪磁気回路を採用しています。

中高域には4cmドーム型ミッドハイユニットを搭載しています。
このユニットにはチタンを高温ボロン化処理したサンドイッチ構造のボロン化振動板を採用しています。また、この振動板はボイスコイルボビンと振動板を一体化したダイヤトーン独自のDUD構造となっており、振動板とボイスコイルボビンを接着する事で発生する剛性低下を防いで高域共振周波数を可聴帯域外へと追放しています。また、接着部分でのエネルギーロスを解消したことでボイスコイルに発生した駆動力を損失無く振動板へ伝達でき、高音域の減衰を低減しています。しかも、ボイスコイルに発生した熱をダイヤフラムに直接伝導するため、温度上昇によるボイスコイル自身の導体抵抗の増加を防ぎ、入力信号に対するリニアリティや耐入力性を高めています。
磁気回路には大型ストロンチウム・マグネットを採用しており、磁気回路を飽和領域で動作させることによって磁気回路に起因する駆動系の歪を排除しています。

高域には2.3cmドーム型ツィーターを搭載しています。
このユニットにもミッドハイユニットと同様にボロン化振動板や大型ストロンチウムマグネットを採用しています。

ネットワーク回路での低歪化を図るため、構成パーツや素子に至るまで検討が重ねられています。
ネットワーク用コイルの設計については、コア入りのダンピングの良さと空芯の歪の少なさの双方の利点を活かすよう設計が行われています。このため、コイルの形状を徹底的に追求するとともに巻線径を1.4mmと太くして直流抵抗と歪を低減しています。また、有害なコア鳴きを抑えるため特殊接着剤によって珪素鋼板を加熱圧着した圧着鉄芯を用いるなど、素子の製作にも細心の注意が払われています。
コンデンサには高域特性の優れたポリエステル・フィルム・コンデンサを採用しています。このコンデンサについても自身の振動に着目し、二重防振構造のものを使用しています。また、電解コンデンサも漏れ電流や誘電体損失を極めて小さな値に抑えた低ひずみ型を用いるなど、細心の注意が払われています。
さらに、ネットワークの部品配置や配線方法についても留意しており、部品相互間の干渉を少なくするよう低歪化が図られています。

ネットワーク回路の配線を中心に、線材には無酸素銅線を採用しています。
無酸素銅線は一般のタフピッチ銅線に比べて導電率が高く、水素脆化も無く、加工性に富み、異種金属などの不純物含有量も少ないなど、優れた特長を持っています。
また、接続方法にもハンダ付けを排し、無酸素銅のスリーブを用いた圧着による接続を採用しています。

エンクロージャーはモーダル解析と徹底したヒアリングの繰り返しによって決定された接合構造と材料を採用しており、ユニットの性能を引き出しています。また、ユニットの取付位置についても様々なモデルシステムを実際に試作し、モーダル解析と試聴を繰り返して決定しています。これによってミッドバスユニットを上部に配置しており、混変調歪を抑えています。

機種の定格
方式 4ウェイ・4スピーカー・ブックシェルフ型
・アコースティックエアーサスペンション方式
使用ユニット 低域用:32cmコーン型
中低域用:16cmコーン型
中高域用:4cmドーム型
高域用:2.3cmドーム型
定格インピーダンス
再生周波数帯域 28Hz~40kHz
最低共振周波数 35Hz
出力音圧レベル 90dB/W/m
クロスオーバー周波数 350Hz、1.5kHz、5kHz
レベルコントロール 中域:4ポジション(1.5kHz~5kHz)
高域:4ポジション(5kHz~40kHz)
最大許容入力 100W(EIAJ)
定格入力 30W
外形寸法 幅422x高さ720x奥行425mm
重量 42kg