DIATONE DS-501
¥82,000(1台、1982年発売)
解説
DS-505からDS-503へ受け継がれたコンセプトをさらに継承して開発されたブックシェルフ型スピーカーシステム。
低域には32cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板には新開発のポリクラフト・ハニカム・コーンを採用しています。この振動板は抄紙パルプに特殊樹脂を含浸したスキン材と、同じく樹脂含浸したクラフト・ハニカムコアをポリアミド系接着剤で接合した構造となっています。このように複合素材を用いることで紙の持つ大きな内部損失と低密度、量産性が優れてる点を生かしながら、紙の約4倍にあたる高い比弾性率を実現するとともにハニカム構造によって内部損失の紙より20%向上しています。さらに、分割振動による高調波歪を紙コーンに比べて15dB低減しています。
DS-501ではポリクラフト・ハニカム・コーンを使用するとともにセンターキャップにはポリアミド繊維を貼り合わせることで共振低減を実現しており、中低域の解像度を向上しています。また、磁気回路には低ひずみリングを装着しており、駆動系から発生する歪を排除しています。
中域には6.5cmドーム型ミッドレンジを搭載しています。
振動板には新開発のD.U.D.ω-チタンダイアフラムを採用しています。ω-チタンはチタン振動板を特殊雰囲気中で熱処理したもので、表面硬化によって振動板としてのヤング率を向上しています。これにより高域限界周波数を高い帯域へとおしやり、再生周波数帯域を拡大しています。また、この素材をD.U.D.構造とすることでボイスコイルに発生した駆動力を損失無くω-チタン振動板へ伝達でき、高音域の減衰も少なく入力信号に対する応答性を改善しています。さらにD.U.D.構造ではボイスコイルに発生した熱がダイアフラムに直接電導するため、放熱効果が高くなり、入力信号によるリニアリティや耐入力特性を高めています。
また、エッジ部には新開発のタンジェンシャルエッジを採用しており、布を基材として特殊バインダーにて多層構造に成型することで適度な内部損失をもたせています。
高域には2.5cmドーム型ツィーターを搭載しています。
このユニットにはミッドレンジと同様にD.U.D.ω-チタンダイアフラムを使用しています。
ネットワーク回路にはダイヤトーン独自の低ひずみネットワーク回路を採用しています。
この方式ではネットワークを構成するコイルやコンデンサなどの素子を厳密にチェックし、さらに結線方法にはOFCのカシメによる圧着ワイヤリング法を採用しています。
また、レベル・コントロールがゼロポイントの時は完全にレベル・コントロール回路をジャンプする構成となっています。
エンクロージャーにはモーダル解析などの最新振動解析技術から生まれた高剛性エンクロージャーを採用しています。
DS-501では従来から定評のある包み留め柄接ぎを採用しています。また、バッフル板は12mm+12mmの貼り合わせ合板を使用しており、より一層の高剛性化を図っています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:32cmコーン型 中域用:6.5cmドーム型 高域用:2.5cmドーム型 |
定格インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 30Hz~30kHz |
出力音圧レベル | 91dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 600Hz、5kHz |
レベルコントロール | 中域:4ポジション(600Hz~5kHz) 高域:4ポジション(kHz~30kHz) |
最大入力 | 100W(EIAJ) |
外形寸法 | 幅370x高さ680x奥行380mm |
重量 | 26kg |