DIATONE DS-35B
¥53,000(1台、1976年発売)
解説
低歪磁気回路を採用することで歪の低減を図ったスピーカーシステム。
            
            ウーファーとスコーカーの磁気回路には新開発の低歪磁気回路を採用しています。
            スピーカーから発生する非直線歪である駆動系歪は、ボイスコイルの近くに存在する磁性材料の非直線的な磁性特性やボイスコイルが置かれた空隙部分の磁束分布の不均一性によって発生します。
            これを低減するため、低歪磁気回路では冶金光学的アプローチによって作られた、磁化特性の直線性が優れた特殊な磁性合金材料を磁極空隙近傍部に採用しています。これにより、磁気回路から発生する駆動系の非直線歪を従来のスピーカーに比べ約1/10(-20dB)以下にまで改善しています。
            
            低域には30cmコーン型ウーファーを搭載しています。
            コーン紙に効果的なコルゲーションを配し、材質、成型方法、添加物などのあらゆる角度から検討を加えることで、分割振動などによる歪を低減しています。
            また、フレームにはダイカストフレームを採用しています。
            
            中域には10cmコーン型スコーカーを搭載しています。
            このユニットのエッジには、それまで実用化が難しいとされていたポリエステル樹脂フィルムを採用しており、特殊なダンピング処理を施して特性をコントロールしています。また、このエッジは微小振幅での直線性に優れ、コーンの横揺れやねじれ振動を防いで歪の発生を抑えています。
            フレームにはダイカストフレームを採用しています。
            
            高域には3cmドーム型トゥイーターを搭載しています。
            ダイアフラムには複合材料であるGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics:ガラス繊維強化プラスチック)を採用しています。この材質は軽くて剛性が高いため、ピストン振動域を延ばすと共に分割振動を低減しています。さらに、固有振動が起こりにくいため、ハイエンド特性も平坦なものを実現しています。
            
            中域用と高域用にレベルコントロールを搭載しています。
            
            キャビネットには分散共振型を採用しており、強固な接合構造と特殊な分散型の補強棧によって振動を抑えるとともに、共振モードを分散化することで箱鳴り現象を抑えています。
			
機種の定格
| 方式 | 3ウェイ3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型 | 
| 使用ユニット | 低域用:30cmコーン型 中域用:10cmコーン型 高域用:3cmドーム型  | 
                
| 公称インピーダンス | 6Ω | 
| 再生周波数帯域 | 35Hz~20kHz | 
| クロスオーバー周波数 | 800Hz、5kHz | 
| 出力音圧レベル | 91dB/W(新JIS) | 
| 最大入力 | 80W | 
| レベルコントロール | 中域:3ポジション(800Hz~5kHz) 高域:3ポジション(5kHz~20kHz)  | 
                
| 外形寸法 | 幅365x高さ655x奥行321mm | 
| 重量 | 21kg | 
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