オーディオの足跡

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DA-P7000の画像
 解説 

映像部と音声部を独立した構成のリファレンスAVプリアンプ。

DA-P7000では、ビデオセレクター部とオーディオ部の回路をそれぞれ別筐体に納めたAVセパレート構造を採用しています。これによりノイズなどの干渉を排除しています。
オーディオ部からビデオ部へは、ビデオ系独立巻線トランス採用の電源ラインとフォトカプラーを介してコントロール信号を供給しています。この信号ラインからは、必要最低限の電流とビデオセレクターを制御するための信号が送られるだけとなっており、オーディオ部とビデオ部の完全なアイソレーションを実現しています。

ビデオアンプ部には、広帯域高周波トランジスタを用いたディスクリート構成を採用しています。ビデオ専用スイッチの使用とあいまって、20MHzの広帯域を実現しています。

全てのセレクター回路にビデオ専用バイポーラスイッチICを採用しています。バイポーラスイッチは、スイッチ部が低出力インピーダンスかつ、広帯域特性を持つエミッタフォロアーで構成されるため、ビデオ信号に対して良好なスイッチ性能が得られます。

Y信号とC信号が相互干渉するのを防ぐため、信号処理回路のY信号セレクター部のみを別基板で構成し、これを最短配線距離となるようにC信号セレクター基板の上に直立させる立体基板構造を採用しています。
これにより、Y信号とC信号がクロスすることなく最短距離で配置され、諸特性の向上を実現しています。

Y/C分離回路エキスパートDCFを搭載しています。
この回路は、映像信号の垂直・水平方向の非相関エネルギーを画素単位で演算し、3種類の最適なフィルター(BPF)を選択する独自のアルゴリズムを開発し、IC化したものです。水平方向の相関が強い時は水平バンドパスフィルター(1次元)、垂直方向に相関が強い時は垂直バンドパスフィルター(2次元)、どちらでもない時は斜めバンドパスフィルター(1次元+2次元)によりY/C分離します。
これにより、従来のものに比べ、水平・垂直方向のドット妨害と色ダレを大幅に低減しています。

ビデオ回路には、オーディオ回路同様の正負2電源構成を採用しています。電源回路とグランド回路を分離することで、グランド回路への不要な回路電流の流入を大幅に低減し、高S/N化を実現しています。
さらに、入出力カップリングコンデンサーの除去が可能となり、高画質化を実現しています。

オーディオ部にはフルデジタル音声信号処理を採用しています。このため、アナログで入力された信号もいったんA/Dコンバーターでデジタル変換され、最終的にアナログ変換されて出力するまで、デジタル信号のまま処理されます。

D/A変換部には、1ビット形本来のメリットを引出した新開発のバリアブルカレント・ディスクリート1ビットDACを採用しています。
このDAコンバーターでは、回路が電源変動の影響を受けないように電子スイッチを定電流ドライブし、さらに電源の負荷電流を一定化することにより、電源電圧変動そのものを無くす定電流型PWM方式を採用しています。また、差動アンプや電流/電圧変換回路には電源変動排除能力に優れたオーディオ用OPアンプ(米国PMI社製)を使用し、DCサーボをかけてカップリングコンデンサーを追放しています。これによりAM変調歪を排除し、リニアリティの良さを最大限に引出しています。

ボリューム回路にはデジタルボリュームを採用しています。
このボリュームは、差動スイッチの定電流源の電流値をボリューム制御回路で可変できるようにし、ボリュームノブに連動したロータリーエンコーダーでノブの回転を検出する構造となっています。これにより0dBから-72dBまでのいかなるボリューム値でもビット落ちが発生しません。

ジッターを除去し音質の劣化を防ぐため、ジッター除去回路にジッターフリーデジタルサウンドコレクターを採用しています。
この回路は、1stおよび2ndの2つのPLL回路で構成されるデュアルPLL構成となってます。また、2nd PLLには、水晶に匹敵する周波数精度と安定度を持ち、しかも周波数の可変幅が従来よりも3倍以上、±3,000ppm以上を達成した新開発広帯域リチウムタンタレイト発振器を採用しています。
デジタル入力信号は、まず1st PLLが作り出したクロックで復調され、専用ICによる3ワード分のメモリバッファにデータが書き込まれます。そして2nd PLLが1st PLLのクロックに再同期をかけ、ジッターの少ない高精度なクロックを生成します。このクロックでバッファに書き込んだデータを読み出し、ジッターを追放しています。
また、PLL回路は、応答が速いとループ内の発振器がジッターを追いかけてしまい、ジッターの多いクロックを作り出してしまうため、2nd PLLの応答は遅いほど、ジッター除去効果は上がります。しかし、応答をあまり遅くするとロックがはずれやすくなり、音が途切れてしまう問題が起こります。そこで、2nd PLLの応答をオートマチックの2段変速にし、状況に応じて速い・遅いの切換えをすることにより、安定したロックを確保し、PLLの超低速応答を達成しています。
PLL回路の電源には、ブロックごとに独立シャントレギュレーターを投入しており、電源ノイズの流入によるジッターの発生を抑えています。

DSPでサラウンド処理などの加工が行われたデジタル音声信号が、伝送過程でノイズによって汚れた波形となってしまい、音質劣化が起きるのを防ぐため、IDインターフェースを採用しています。
IDインターフェースは、デジタル信号そのものではなく、信号に含まれているハイかローかという情報のみを伝達するという構造になっています。これは、2個のC-MOS FETアナログスイッチにより構成され、片方がONの時には電源に、もう片方ではグランドに接続されています。これら電源とグランドは、ノイズの少ないクリーンな状態を保っています。ここでデジタル音声信号をそのままD/Aコンバーターに入力するのではなく、2個のアナログスイッチの開閉信号として作用させると、ハイ信号時には電源サイドのスイッチが、ロー信号時にはグランドサイドのスイッチが、それぞれONに制御されます。これにより、新たに作り出されたデジタル信号のハイ・ロー関係は入力信号に対応していますが、デジタル音声信号の無相関ノイズはシャットアウトされ、クリーンなD/A変換を実現しています。

サラウンドモードとして、ドルビープロロジックのほかにMHTロジックとモノロジックに対応しています。
MHTロジックは、ドルビーサラウンドでエンコードされたソフトに対応する三菱独自のサラウンドモードです。音場効果はDSPによるフルデジタル処理され、それに伴うビット欠落は全チャンネルノイズシェーピングすることで対応しており、高品位サラウンド再生を実現しています。

センターモードはREALモードとVIRTUALモードが選択できます。
REALモードはセンタースピーカーを用いる場合に設定するモードで、低域から高域までの全帯域をセンタースピーカーに出力します。また、VIRTUALモードはセンタースピーカーを使用しない場合に設定するモードで、方向性強調回路により、LR2本のスピーカーでセリフなどをセンターに定位します。
さらに、C(CENTER)PRESENCE機能でセンターチャンネルの信号の到達時間を調整することで、センター定位を改善することが可能です。

MULTI DELAY機能では、2~4本のリアスピーカーを使って、6~12本のリアスピーカーを広い部屋に配置したのと同じようなサラウンド音場を得られます。モードを切換える事で音場の広さを調整することができます。

REAR DELAYでは、リアスピーカーのDELAY時間を調節できます。
また、REAR FILTERではリアチャンネル信号の高音域をカットするローパスフィルターの遮断特性を調節できます。普通は7kHzに設定し、音場感を拡大したい場合は9kHzに、マイルドな音場感にするには4kHzにします。

THEATER LPFでは、映画館再生用に高音域を強調して記録されたソースを調整できます。

AZIMUTH機能では、ソフトの制作過程で録音ヘッドに対し再生ヘッドの角度(アジマス)がずれている場合に、ソフトのアジマスのズレを調整できます。

AUTO INPUT機能では、センターから聞こえるせりふのような話声がセンターチャンネル以外のスピーカーから漏れて聞こえるような状態を改善します。

サブウーファー出力を搭載しています。ローパスフィルターをデジタル処理により、特性に合わせて40Hz/63Hz/80Hzの3段階の切換えが可能です。遮断特性は24dB/octとなっています。

モノロジックモードでは、モノラル録音のビデオソフトやLDソフトにサラウンド感を付加して再生できます。

サラウンド音声モードの調整やダビング処理などを、画面上で確認しながら行えるオンスクリーン機能を搭載しています。
表示は、入出力のソースやサラウンドの種類などが選べるメイン画面、各スピーカーの音量やサブウーファーのON/OFFを決めるサブ画面、録音・録画の状態をチェックするRECモニター画面の3種類となっています。
スーパーインポーズのほか、ブルーバック・ブラックバック上への表示も可能です。

英国ニンバス社がライセンスを持つアンビソニックサラウンド方式を搭載しています。
このサラウンド方式は、通常のステレオソースを再生してもサラウンド感が得られますが、アンビソニック方式でエンコードされたソフトを4チャンネルで再生すると特に効果を発揮します。

ボタンを押すと表示が光るライティング機能を搭載したワイヤレスリモコンが付属しています。
このリモコンには、三菱製品でオートファンクション対応AV機器で構成されたシステムの、一連の操作をボタン一つで行えるオートファンクション機能を搭載しています。また、他のAV機器のリモコンの機能を学習し、操作できる学習機能も搭載しています。

機種の定格
型式 マルチチャンネルコントロールアンプ
デジタル入力 オプティカル:5系統
コアキシャル:4系統
デジタル出力 オプティカル:2系統
コアキシャル:2系統
アナログ端子 アナログ入力:10系統
アナログ出力:5系統
プリアンプ部出力 フロント2ch、センター2ch、サブウーファー2ch、リア4ch
音場制御(デジタル) Dolby ProLogic
Ambisonic
MHT Logic
Mono Logic
消費電力 72W
外形寸法 オーディオ部:幅425x高さ132x奥行464mm
ビデオ部:幅425x高さ87x奥行393mm
重量 18kg
付属 ワイヤレスリモコン