DENON TU-950
¥49,800(1985年頃)
解説
SSS(スーパーサーチャーシステム)を搭載したFM/AMチューナー。
SSSは、受信しようとする電波のクォリティに影響を与えずにRF相互変調妨害を排除することを目的に開発されたシステムで、アンテナ入力部に内蔵された新開発バンドサプレスサーキットと妨害レベルを表示するノイズレベルインジケーターで構成されています。このサーキットは、スプリアスを発生させる原因となる強入力電波の1つを急峻に減衰させるフィルターで、SSSコントローラーによって減衰周波数を変化させる事ができます。
これによって妨害発生時にSSSをONし、コントローラーによってノイズレベルを最小にすることにより、妨害を除去してクリアな受信が可能になります。
フロントエンド部は、高電圧用バラクタ・ダイオード(4連バリコンに相当)、デュアルゲートMOS
FETで構成されています。
また、同調周波数をロックするPLLの比較周波数を可聴帯域外の25kHzに設定することでS/Nを改善しています。
周波数表示回路のスタティックコントロール方式や、ワイドとナローに切換えられるIF段、定遅延特性(IFワイド時)のセラミックフィルター、パイロットキャンセラー、アンチバーディフィルターの採用などにより、諸特性の改善を図っています。
FM/AM8局ワンタッチランダムプリセット選局、オート選局、マニュアル選局、ラストチャンネルメモリー選局の4種類の選局方式が可能です。
良好な受信状態でLEDがグリーンのサインをするクォリティインジケーターを搭載しています。
このインジケーターは、電波の入力不足やRF相互変調妨害等で充分なSN比が得られない場合には点灯しないため、アンテナや妨害のチェックにも活用できます。
AMの感度、S/Nを向上するため、ループアンテナを搭載しています。
録音レベルチェック用発振器を内蔵しています。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
受信周波数 | 76MHz~90MHz |
アンテナ端子 | 75Ω(ターミナル式) |
実用感度 | 0.9μV/10.3dBf |
S/N50dB感度 | stereo:21μV/37.7dBf mono:1.8μV/16.4dBf |
イメージ妨害比 | 90dB |
IF妨害比 | 100dB |
AM抑圧比 | 65dB |
実効選択度 | wide:50dB(±400kHz) narrow:60dB(±300kHz) |
キャプチャー比 | 1.0dB |
周波数特性 | 20Hz~15kHz +0.2 -1.5dB |
SN比(ウェイトA) | stereo:82dB mono:88dB |
全高調波歪率(1kHz) | stereo:0.04%(90%変調時) mono:0.03%(100%変調時) |
ステレオセパレーション | 57dB(1kHz) |
出力レベル | 0.6V(100%変調時) |
<AMチューナー部> | |
受信周波数 | 522~1,611kHz |
アンテナ | ターミナル式、ループ形アンテナ付属 |
実用感度(S/N20dB) | 18μV |
選択度 | 50dB(±9kHz) |
イメージ比 | 45dB |
SN比 | 55dB |
全高調波歪率 | 0.3%(1kHz) |
出力レベル | 0.2V(30%変調時) |
<レベルチェック信号> | |
周波数 | 440Hz正弦波 |
出力レベル | 0.3V(50%変調時) |
<総合> | |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 11W |
外形寸法(ツマミ、脚、端子含む) | 幅434x高さ66x奥行281mm |
重量 | 3.6kg |