オーディオの足跡

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TU-500の画像
 解説 

ドラム式ダイヤルを採用したFMステレオチューナー。

ダイヤル部には直径12cmのドラムを採用しており、パネル専有面積を小さくしつつ受信周波数が正確に読めるようにしています。
この回転ドラム式ダイヤルによって目盛りの全走行長は従来機の約1.5倍の28.3cmと長く、周波数比例型バリコンの使用と相まって見易い一目盛り200kHzの等間隔を実現しています。
ダイヤル回転機構にはオイルレスの含油性ポリアセタール樹脂を使用しており、チューニングつまみの初期の操作性を永く保っています。

同調指示はシグナルメーターとセンター式チューニングメーターの2メーター式を採用しています。また、左端の大型メーターがシグナルメーター兼用となっており、アンテナ端子の入力電圧を読み取ることができます。
左のメーターはシグナルメーターの他にチューナー出力L-chのレベルメーターとして動作します。このレベルメーターの性能は放送局級VUメーターの規定に準じています。
右の大型メーターはRchレベルメーターの他にナルバランスのチェックメーターになります。ナルバランスはステレオ回路のバランスコントロールする際に電気的バランスを正しくとるための機能です。

さらに左右のレベルメーターは独立した測定器としても動作します。
入力インピーダンスは200kΩ以上と高く、フロントのExternal ATTを切替えて、-30dB(24.5mV)から+33dB(34.6V)までのオーディオ定常信号電圧を測ることができます。
また、レベルメーターを装備していないアンプと組合せた時にアンプの出力計となり、右側のメーターはその際にはナルバランスチェッカーとして使用できます。

マルチパス端子を搭載しており、アンテナの選択や方向・高さの調整が正しく行えます。

アンテナからの入力端子は伝送損失と近隣雑音の誘導が少ない同軸フィーダの専用75ΩF型コネクタを設け、フロントエンドに直結し、弱い電波の伝送特性に配慮しています。

フロントエンドでは、バリコン1連の単同調回路を通し、直ちに双ゲートMOS-FET1個の高周波増幅を行い、微弱な電波に対する高いS/Nを保持します。そのあとバリコンを3連用いたトリプルチューン回路をとお歳、双ゲートMOS-FETで局部発振周波数と混合増幅し、適度な利得設定で強い電波にも歪まずブロッキング現象を起こさない構成となっています。

局部発振回路には変形クラップ形発振回路を採用しています。この回路はコレクタ接地形で、トランジスタの働きが電源電圧変動や温度変化の影響を受けにくく、出力は波形の綺麗な共振回路から直接引き出す方式なので高調波が少ないなどの特長を持っています。
そして、厳選された温度補償コンデンサや優れた耐温・湿特性の発振コイル、浮遊容量を少なくするための手配線などを採用しています。さらに発振出力は混合用双ゲートFETの第2ゲートに注入する形のため、発振周波数が安定になっています。

IF部には理想的なリミッティング(振幅制限)作用を持つ動作安定な差動増幅三段直結のIC2組を主体に、ダイナミックレンジが広いトランジスタなどを併用して直線性の良い多段増幅を構成しています。
その間の結合・選択素子にはセラミック2素子形で選択度が高く、音質を重視した位相特性平坦なフィルター4組を使用しています。

FM検波は出力インピーダンスが低い広帯域向きのレシオ検波回路を採用しています。

MPX回路にはPLLスイッチング・パルス発振回路などを集積したステレオデコーダー用ICを採用しています。

左右各チャンネルとも二段直結増幅回路を2組重ねた合計4段の構成とする事で低歪化を図っています。また不要になったパイロット信号や副搬送波などのリークを新開発の3段構成ローパスフィルターでカットしています。

出力端子は固定と可変の2系統があります。

ファンクションセレクターにはMonoとAutoの他にStereo-onlyポジションがあり、ステレオ放送時は自動的にステレオ出力を送り出し、モノラルに変わると自動的にストップします。

ボリューム付きのヘッドホンジャックを搭載しています。

ミューティングスイッチを搭載しており、局間ノイズを除去できます。

ハイブレンドスイッチを搭載しており、周波数特性を崩さずに雑音を抑える事ができます。

機種の定格
型式 FMステレオチューナー
<FMチューナー部>
回路方式 スーパーヘテロダイン方式
受信周波数範囲 76MHz~90MHz
中間周波数 10.7MHz
実用感度(IHF) 1.7μV
実効選択度(IHF) 80dB
イメージ妨害比 110dB(83MHz)
IF妨害比 110dB(83MHz)
スプリアスレスポンス 110dB(83MHz)
AM抑圧比 60dB(IHF)
キャプチャーレシオ(IHF) 1.0dB
不要輻射 50μV/m
<オーディオ部>
回路方式 フェーズロックループ式ステレオ復調回路採用
19kHz&38kHz抑圧比 65dB
周波数特性 20Hz~15kHz +0.2 -1.5dB(19kHzフィルター付)
SN比 75dB
全高調波歪率 stereo:0.2%(1kHz、90%変調時)
    0.3%(50Hz~5kHz、90%変調時)
mono:0.2%(1kHz、100%変調時)
   0.3%(50Hz~10kHz、90%変調時)
セパレーション 45dB(1kHz)
40dB(100Hz~10kHz)
出力電圧(100%変調時) 固定:1V
可変:0~1.5V
出力インピーダンス 固定:4.7kΩ
可変:200Ω
備考 ナルバランス可能
<ヘッドホンアンプ部>
適合負荷インピーダンス
定格出力 10mW(0.28Vrms)
周波数特性 50Hz~10kHz +0 -1.5dB
<レベルメーター部>
外部信号測定レンジ -20、-10、0、+10、+20、+30dB(0dB:0.775Vrms)
同 入力インピーダンス 123kΩ
指示誤差 ±0.2dB以内(各レンジ、1kHz、VU目盛0付近)
周波数特性 20Hz~15kHz ±0.5dB
動特性 JIS C-1504に準ずる
<総合>
アンテナ端子 75Ω F形コネクタ
300Ω/74Ω、ネジ式
接続端子 マルチパス検出端子
検波出力端子(4ch&SCA用出力)
レベル・メーター外部端子
同パス端子
ACアウトレット unswitched:250Wmax、1系統
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 25W
外形寸法 幅430x高さ140x奥行308mm
幅430x高さ140x奥行350mm(別カタログ記載)
重量 8.5kg
9kg(別カタログ記載)