DENON TU-350
¥46,500(1973年頃)
解説
FM多局化に備えて諸特性の向上を図ったFM/AMチューナー。
フロントエンドには低雑音FETと4連バリコンを組み合わせたRF2段の完全シールドのフロントエンドを使用しています。
IF増幅部にはシリコントランジスタとモノリシックIC2個、セラミックフィルタ2個が使用されています。
セラミックフィルタを用いることで選択度特性と帯域幅を兼ね備えており、歪率・混信排除能力が向上しています。また、ICを2個使用したことでリミッタ特性やキャプチャーレシオなどのIF段での諸特性を向上させています。
MPX回路にはDENONが開発した左右のクロストークをキャンセルするDSC回路を採用しています。
また、LC共振のフィルタで38kHz、19kHzの有害な漏れもシャットアウトしています。
ハイブレンドスイッチを搭載しており、FMステレオ受信の際に弱電界でノイズが耳につく場合にスイッチをONにすることでステレオ感を損なわずに高域だけをブレンドし、ノイズをキャンセルできます。
電子式のFMモノ-ステレオ自動切換え回路を搭載しています。
セレクターをFM-AUTOにセットしておけば放送がステレオになると自動的に全ての回路がステレオ受信に切り換えられます。
AMチューナー部は高感度設計を採用しており、内蔵のバーアンテナだけでも良好な受信が可能です。
また、外部アンテナ端子も装備しています。
ミューティング回路を搭載しています。
FM/AMのそれぞれに専用の出力レベル調整用アジャスタを備えています。
シグナルメーターとチューニングメーターの2メーター方式を採用しています。
300Ωと75Ωのアンテナ端子を備えています。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
受信周波数 | 76MHz~90MHz |
感度 | 1.8μV(IHF) |
全高調波歪率 | mono:0.3%以下 stereo:0.55%以下 |
S/N比 | 75dB以上(入力100KμV、100%MOD) |
2信号選択度 | 70dB以上(入力100μV) |
イメージ妨害比 | 90dB以上(84MHz) |
AM抑圧比 | 50dB以上(IHF) |
IF妨害比 | 90dB以上 |
キャプチャーレシオ | 1.5dB以下 |
スプリアスレスポンス | 95dB以上 |
周波数特性 | 20Hz~15kHz |
FMステレオセパレーション | 38dB以上(1kHz) |
不要輻射 | 34dB以下 |
FM周波数ドリフト | 0.03%以下(10℃~40℃) |
<AMチューナー部> | |
受信周波数 | 525kHz~1605kHz |
実用感度 | 150μV/m(ループアンテナ) |
イメージ妨害比 | 55dB以上(1MHz) |
IF妨害比 | 40dB以上(1MHz) |
選択度 | 60dB以上(±20kHz) |
S/N比 | 50dB以上 |
歪率 | 0.6%以下(入力50KμV、30%MOD) |
<総合> | |
付属機能 | FMステレオ自動切換 FMステレオインジケーター ハイブレンドスイッチ AM/FM出力レベル調節 FMミューティング |
使用半導体 | IC:2個 FET:2個 トランジスタ:22個 ダイオード:22個 セラミックフィルター:2個 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 15W |
外形寸法 | 幅370x高さ141x奥行304mm |
重量 | 6.5kg |