DENON VS-450
¥35,000(1台、1971年頃)
解説
放送局用に開発された技術が投入された2ウェイスピーカーシステム。
このスピーカーシステムに専用アンプをつけ、コロムビア小型モニタースピーカーとして各地の放送局で使用されていました。
低域には対称支持方式による10cmコーン型ウーファーを搭載しています。
コーンにはDENON独自のコラーゲン振動板が採用されています。これは、動物の皮に特殊な化学処理を施し、コラーゲン繊維としてコーン紙に融合したもので、適度な内部抵抗を持たせる事で、コーンのピークやディップの共振を抑えています。
また、大振幅に対する非直線歪を低減するため、対称支持方式(プッシュプル支持方式)を採用しています。これは、エッジとダンパーを総合して一体化したもので、互いにそれぞれの非直線性を打ち消しあうように、エッジと同じ構造のものを逆向きにしてダンパにしてあります。さらに、ボイスコイルとの結合部分は、低域ではエッジのスティフネスに比較して剛体を考え、高域では共振を生じないものを採用しています。
このように変形方向に対してある形の非直線性を持つものが、互いに逆向きにして一本化されているため、歪はキャンセルされ振幅に対する直線性が改善されています。
エッジには特殊な織り方の布に高分子材料を含浸させたエッジを採用しており、直線性を大きく改善しています。
高域には5cmのコーン型トゥイーターを搭載しています。
エンクロージャーは、ポートをもったバスレフ型が採用され、バッフル板は鉄板の裏側がダンプ材で防振されたものを採用しています。
また、ネットワークには空芯コイルが採用されています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:10cmコーン型 高域用:5cmコーン型 |
再生周波数帯域 | 50Hz~18000Hz ±5dB |
最大許容入力 | 60W(プログラムソース) |
推奨許容入力 | 45W |
単純音連続 | 3W |
高調波歪率 | 3%以下(100Hz以上、1m、90dB SPL) |
インピーダンス | 8Ω |
出力音圧レベル | 82dB |
クロスオーバー周波数 | 2000Hz(12dB/oct) |
外形寸法 | 幅203x高さ289x奥行236mm |
重量 | 6.5kg |