オーディオの足跡

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VS-370の画像
 解説 

コラーゲンコーンや左右対称レイアウトなどの設計を採用したスピーカーシステム。

VS-370ではユニットの振動板にDENON独自のコラーゲンコーンを採用しています。
この振動板では、動物の皮に特殊な化学処理を施してコラーゲン繊維を抽出し、コーン紙の素材に融合しています。これによりコーン紙は剛性を維持しながら内部損失のみを適当な値にコントロールでき、分割共振領域や高域共振をより理想的にコントロールしています。
また、エッジ部にもコラーゲン繊維を利用することでピストン運動を抜けだしたところの特性の乱れを極少に抑えています。さらに、コラーゲン繊維の柔軟性によって最低共振周波数を低くすることができ、コーン紙の分割振動もコントロールされ、周波数帯域のフラット化をより一層確実なものにしています。

オールコーン型構成とすることでマルチウェイ方式で起こりがちな受持ち帯域による音色の違いを防いでいます。さらに、指向性や振動モードを揃え、リスニングルームの残響時間やスピーカーの位置などによって起こる各帯域ごとの音色の差を少なく抑えています。

低域には30cmコーン型ウーファーである30RW11Bを搭載しています。
このユニットでは振動板にコラーゲン繊維を融合させたノン・プレスコーン紙を採用しており、メラミン塗装を施した2重構造としています。これにより剛性を高めピストン運動領域を広げることができ、ウーファーの高域に現れがちな鋭いピークをコントロールしています。
また、ボイスコイルにはアルミボビンを使った特殊構造を採用しており、径方向に対するたわみを防止し、同時に放熱効果を高めています。
磁気回路には磁気エネルギー利用効率の良いアルニコ系鋳造マグネットを使用しています。

中域には12cmコーン型スコーカーである12RM22を搭載しています。
振動板にはコラーゲンコーン紙を採用しており、分割共振領域をコントロールすると同時にゴムキャップを用いてキャップからの高域放射エネルギーを少なくし、不要帯域をカットしています。
さらに磁気回路には大型鋳造マグネットを採用することで磁束密度12000ガウスを得、過渡特性の向上を図っています。
フレームにはアルミダイカストフレームを採用し、さらにバックカバーを用いて振動の大きいウーファーからの影響を遮断する構造を採り入れることで混変調歪を抑えています。

高域には5cmコーン型ツィーターである50RT07を搭載しています。
このユニットではフレームにアルミダイカストを用いることでウーファーやスコーカーからの影響を低減するよう設計されています。

ネットワーク部には直流抵抗の少ないコイルの採用や、コンデンサの容量誤差を極力少なくするために複数のコンデンサを並列使用するなど、おsにつへの影響を考慮しています。
また、中域用と高域用に連続可変型のレベルコントロールを搭載しています。

フロントバッフルのユニットレイアウトには左右対称配置を採用しており、聴取位置での左右スピーカーの指向性パターンを揃えています。また、ユニット取り付けにはバッフルの振動モードが音楽再生に悪影響を与えないように考慮しており、特にウーファーのフレームは合成ゴムでカバーし、裏面取り付け構造としています。
また、エンクロージャーには密閉方式を採用しており、フロントバッフルにシナ材を主とする19mm厚ランバーコアを、その他の部分には25mm厚の硬質パーチクルボードを使用し、堅牢に仕上げています。
内部の吸音処理には密度の異なる3種類の吸音材を組み合わせて使用しており、定在波を除去しています。

外観は全面をリアルウッドで仕上げたシンプルなデザインとなっています。

機種の定格
方式 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型
使用ユニット 低域用:30cmコーン型(30RW11B)
中域用:12cmコーン型(12RM22)
高域用:5cmコーン型(50RT07)
周波数特性 40Hz~20kHz ±5dB
指向周波数特性 40Hz~14kHz ±5dB(30度にて)
最大許容入力 80W(プログラムソース)
インピーダンス
平均出力音圧レベル 87dB/W/m
クロスオーバー周波数 280Hz、2kHz
全高調波歪率 2%以下(5W、70Hz以上)
レベルコントロール 中域用、高域用:連続可変方式
外形寸法 幅386x高さ647x奥行296mm
重量 23.5kg