DENON SC-R88
¥59,800(1台、1986年発売)
解説
CD時代の音楽ソースを、高忠実に再生するという事をテーマに、開発されたスピーカーシステム。
低域には32cmのコーン型ユニットを採用しています。
振動板には、クロスカーボンの裏に極軽量カーボン抄紙を合着し、剛性を向上させたものを採用し、直径145mm厚さ18mmのフェライトマグネットの磁気回路で構成しています。
また、フレームにはアルミダイカストフレームを使用し、堅固にサポートしています。
中域にはクロスカーボン振動板を採用した12cmコーン型ユニットが採用されています。
さらに、レジンを配合したエッジを採用しており、エッジからの不要な輻射を排除しており、ボイスコイルには高耐熱の銅クラッドアルミワイヤー(CCAW)使用、アルミのコイルボビン採用とあいまって軽量化と高耐入力をはたすと同時に、通気孔を設けたダンパーにより、優れた過渡応答性と直線性を得ています。
また、平行面をもたない密閉度の高いバックキャビティにより定在波を排除するとともに、ウーファからの背面高圧の影響を排除することによって、クリアな中音域を再現しています。
高域には2.5cmのハードドーム型ユニットが採用されています。
振動板素材は、硬質ジュラルミン箔表面にボロン化合物とチタン酸化物をプラズマジェット法で蒸着したニューαボロンを採用しています。
音の伝播速度を従来のαボロンより向上するとともに、本来の製法上の特徴である適度な内部損失を得ています。
また、このトゥイーターユニットの取り付け方法には、R.M.M.構造を採用しています。
この方法は、厚いバッフルボードの中にトゥイーターを埋め込んだようなマウント方法で、振動板を駆動する際の反作用による磁気回路やフレームの変位・振動を低減しています。
ネットワークは、基板を低域用と中・高域用に分割し、特に双方のコイル間の干渉による歪を減少させています。
コンデンサにも、電極振動を抑えたオーディオ専用を採用しています。
エンクロージャーは厚さ30mmの高密度な針葉樹系硬質パーチクルボードによるバッフル板を採用し、背面にポートを配置したバスレフ構造となっています。
このエンクロージャーはD.A.S.(Dynamic Acoustic Scatter)構造を採用しており、ポーラスセラミックスを天板、側板、裏板に堅固に装着し、エンクロージャー内の板共振を抑え、さらにポーラスセラミックスにより上下の平行面を無くす事で定在波の発生を防いでいます。
また、半径30ミリのラウンドバッフル構想とし、回折現象を抑えています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:32cmコーン型 中域用:12cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型 |
周波数特性 | 28Hz~45kHz |
インピーダンス | 6Ω |
最大入力(EIAJ) | 200W |
平均出力音圧 | 91dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 500Hz、4000Hz |
外形寸法 | 幅383x高さ667x奥行360mm |
重量 | 33.5kg |