DENON SC-107
¥75,800(1台、1977年頃)
解説
デンマークのピアレス社との技術提携をし、開発されたスピーカーシステム。
ウーファーにはコーン紙に制動剤を塗布したものを使用し、高域の分割共振を制御するとともに、多孔質のコーン紙のわずかな空気漏れを防いでキャビネット内部で起こる移送の異なる反射音との干渉を無くしています。
駆動部分には、直径方向へのたわみが小さく熱拡散性に優れたアルミボビンを採用しています。
エッジ部には、ロール状に成形した発泡ポリウレタンに制動剤をコーティングしたハイ・コンプライアンス支持方式となっています。
このユニットをパラレル駆動することで、振動面積の増大、指向性の改善に加えて、ユニット個々の振動振幅を半減させ、より優れた低域再生を実現しています。
ウーファーからの空気圧や振動から防ぐため、スコーカーはバックキャビティーとフレームが超合金アルミダイカスト製で一体化された構造となっています。
また、キャビティー内にはリング状のグラスウールを充填し、反射音を吸収しています。
また振動板には、裏面に制動剤をコーティングしたノンプレスコーン紙を採用し、発泡ポリウレタンに制動剤をコーティングしたロール状エッジを採用しています。
駆動部にはアルミボイスコイルボビンを採用しています。
トゥイーターにも、他ユニット同様に制動剤を塗布したコーン紙を採用しています。
有効半径が小さく、指向特性に優れており、さらに、高域特性改善のため極薄のアルミ箔を成形したものをセンターキャップに使用してムービングマスを小さくしています。
このトゥイーターを縦に2個配置することで左右方向の指向性を抑えています。
各ユニットのキャビネットを介した干渉を防ぐため、各ユニットとキャビネットへの取付部をブチル系のパテ材でシーリングして緩衝するとともに、止めネジ周辺からの空気漏れを防いでいます。
ネットワークにはウーファーに入るコイル以外のものには空芯コイルを使用し、コンデンサーは誘電体損失の少ないプレーン箔形のものをしようして、電流ひずみを抑えています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・5スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:25cmコーン型x2 中域用:10cmコーン型 高域用:5cmコーン型x2 |
最大許容入力 | 80W |
再生周波数 | 40Hz~20kHz |
クロスオーバー周波数 | 500Hz、4000Hz |
インピーダンス | 8Ω |
平均出力音圧 | 92dB/W/m |
全高調波歪率(5Wにて) | 1.5%以下(50Hz以上) |
レベルコントロール | 高音域連続可変±2dB |
キャビネット | 両面リアル・ウォールナット貼り20mm厚パーチクルボード |
外形寸法 | 幅390x高さ700x奥行347mm |
重量 | 23kg |