DENON S-170mkII
¥39,500(1台、1975年頃)
解説
音楽のもつハーモニーを崩すこと無くリアリスティックな音楽再生を追求した2ウェイスピーカーシステム。
低域には25cmコーン型ウーファーである25RW15を搭載しています。
このユニットの振動板にはコラーゲンコーンを採用しています。これは、動物の皮から特殊な化学処理によってコラーゲン繊維を抽出し、コーン紙の素材に融合させたもので、剛性を維持しつつ内部損失のみを適当な値にコントロールしています。これにより分割共振領域や高域共振を抑えています。
また、コラーゲン繊維をエッジにも利用することで、コーン紙とエッジの逆振動による特性の乱れを極少に抑えています。さらにコラーゲン繊維の柔軟性によって最低共振周波数を低くすることができています。
高域には4cmドーム型トゥイーターである40DT-01を搭載しています。
このユニットでは天然繊維の柔軟な材料を振動板に採用しており、さらにドーム部分には特殊なコーティング材を手塗り作業によって数回施しています。まt,あドーム内部には特殊なグラスファイバーを用いて吸音処理が施されており、指向特性に優れ、著しいピークやディップの無い平坦な特性を得ています。
また、エッジ部には大振幅に対する振動板支持の安定したフリーエッジ型を使用しています。
磁気回路には120φx60φx17のバリウム・フェライトマグネットを使用し、さらにボイスコイルには耐許容入力と高域特性を伸ばすために鋼クラッドアルミ線を使用しています。
ネットワーク部には位相特性の優れた6dB/octの構成を採用しています。
ネットワーク素子には大入力時の歪等を重視して直流抵抗の少ない空芯コイルを使用し、さらに音質面と容量誤差を抑えるためMF型コンデンサーを並列使用しています。
高域用に連続可変型レベルコントロールを装備しています。
エンクロージャーには左右対称設計を採用しています。素材には20mm硬質パーチクルボードを使用しており、外観はリアルウッド仕上げが全面に施されています。
また、エンクロージャー内部は密度の異なる3種類の吸音材を使い分けることで定在波を除去するとともに、ウーファーに音響的な制動を加えて低音域をコントロールしています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:25cmコーン型(25RW15) 高域用:4cmドーム型(40DT-01) |
周波数特性 | 40Hz~20kHz ±5dB |
指向周波数特性 | 45Hz~13kHz ±4dB(30度にて) |
最大許容入力 | 60W(プログラムソース) |
インピーダンス | 8Ω |
平均出力音圧レベル | 89dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 1.5kHz |
全高調波歪率 | 1.5%以下(5W、70Hz以上) |
レベルコントロール | 連続可変式 |
外形寸法 | 幅320x高さ597x奥行291mm |
重量 | 16.5kg |