DENON D-9
価格不明(1台、1970年台前半頃)
解説
永年の年月を費やして開発されたスピーカーシステム。
低域には40cmコーン型ウーファーである40RW09を搭載しています。
振動板にはコラーゲン繊維を混入したノンプレスコーン紙とウレタンフォームを成型したロールエッジで構成されています。このユニットでは直線性を改善するためにダンパー裏面とボイスコイルギャップとの空気コンプライアンスを大きくする新方式を採用しています。ボイスコイルにはエッジワイズ巻きのボイスコイルを採用しています。
磁気回路はアルノコマグネット40φx25mmを16個使用した外磁型構造となっており、トッププレートは15mmの厚さを持たせ、80φのセンターポールと共に橋梁な磁束密度を得ています。
フレームにはアルミダイカストフレームを採用しています。
中域にはドライバーユニットHMD-9とエクスポネンシャルホーン、新開発音響レンズHL-100Cを用いたホーン型ユニットを搭載しています。
HMD-9は特殊軽合金45φダイアフラムを使用しており、精密手作り加工されたリアタイプのドライバーユニットとなっています。磁気回路にはアルニコマグネット25φx15mmを8個、25φx20mmを8個使用しています。
HL-100Cはホーン型スピーカーの開口部に異なる径を有する円錐状のパンチング板から形成されたものを多層に積み重ねた構造となっています。これにより、従来の薄い平板を用いた音響レンズで発生する板自体の振動による影響や、反射の影響による指向周波数特性の悪化を防いでいます。
高域にはドライバーユニットHTD-9とホーンH-2500Lを搭載しています。
HTD-9は特殊軽合金ダイアフラムと本格的な位相等化器を備えたユニットで、1400Hzカットオフのホーンまで自由に使い分けが可能です。
H-2500Lはハイパーボリックホーンで連続気泡発泡スポンジによるディフューザーを備えています。
エンクロージャーは板厚36mmの厳選された素材によるランバーコアをバッフルを除く全面に採用しています。
また、背面に可変可能な音響抵抗ユニットを備えており、再生限界と過渡特性の最良点を常に維持しています。
外観はウォルナットのオイル仕上げが施されています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・音響抵抗制動方式・フロア型 |
使用ユニット | 低域用:40cmコーン型(40RW01) 中域用:ホーン型(HMD-9+HL-100C) 高域用:ホーン型(HTD-9+H-2500L) |
周波数特性 | fo~20kHz |
60゜に於ける指向特性 | fo~15kHz |
最大許容入力 | 100W(プログラムソース) |
インピーダンス | 8Ω |
平均出力音圧レベル | 97dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 500Hz、8kHz、12dB/oct |
キャビネット材質 | 36t、ランバーコア |
外形寸法 | 幅650x高さ880x奥行530mm |
重量 | - |
40RW01の仕様 | |
型式 | 40cmコーン型ウーファー |
軸上音圧レベル | 97dB/W/m |
許容入力 | 35W(Nom) 100W(Max) |
VCインピーダンス | 8Ω |
周波数帯域 | 18Hz~20kHz |
ボイスコイル口径 | 8cm |
磁束密度 | 11,000gauss |
総磁束 | 415,000maxwell |
重量 | - |
HMD-9の仕様 | |
型式 | ドライバーユニット |
許容入力 | 40W |
周波数帯域 | 500Hz~15kHz |
軸上音圧レベル | 105dB/W/m |
VCインピーダンス | 8Ω |
磁束密度 | 18,000gauss |
総磁束 | 100,000maxwell |
重量 | - |
HL-100Cの仕様 | |
ホーン型式 | エクスポネンシャルホーン |
ホーン開口 | 100mm |
長さ | 216mm |
音響レンズ | 直径310mm |
レンズ構成 | パンチングメタル23枚 |
HTD-9の仕様 | |
型式 | ドライバーユニット |
許容入力 | 35W |
周波数帯域 | 2.5kHz~20kHz |
軸上音圧レベル | 99dB/W/m |
VCインピーダンス | 16Ω |
磁束密度 | 17,000gauss |
総磁束 | 41,000maxwell |