DENON MTP-702Z
¥49,800(1974年頃)
解説
個々のパーツの精度を高めると共に厳しい動作チェックを繰り返して総合性能の向上を図ったレコードプレイヤー。
ターンテーブルの駆動方式にはベルトドライブ方式を採用しており、駆動モーターには特別設計の4極シンクロナスモーターを採用しています。これに精密加工されたドライビングローラー及びポリウレタンベルトを組み合わせる事で電圧や負荷変動に対して安定度の高い回転を実現しています。
ターンテーブルにはアルミダイキャスト製のものを採用しています。
このターンテーブルは重量の大部分を外周部に集中させる事で慣性エネルギーを大きくし、フライホイール効果の増大を図る事で回転ムラを低く抑えています。
トーンアームにはスタティックバランスS字型パイプアームを採用しており、アームの構成パーツを厳しく検査する事で個々の精度を高め、精密に組み立てる事でアームのガタツキを防止しています。
トーンアームの高さはドライバーを用いて調整できるようになっており、カートリッジを選ぶ事なく最適な垂直トラッキング角が得られます。
オイルダンプ機構にはロータリー方式を採用しており、オイルの凝固やベタつきを防いで高い制動効果を得ています。
キャビネットには3mm厚のアルミダイキャスト製モーターボードと木製キャビネットを組み合わせた構造を採用しています。
また、トーンアームやダストカバー、インシュレーターなどの随所に粘弾性材料を用いる事でハウリングを抑えています。
脚部にはゴムとフェルト材を併用したインシュレーターを採用しており、外部振動の影響を抑えています。
また、高さ調整が可能となっています。
ベルト保護機構を搭載しており、ターンテーブルの停止時は速度切換ができないよう安全装置を採用する事でベルトを保護しています。
ニードルポインターを装備しており、カートリッジに最適の針先ポジションを設定する事でオーバーハングが簡単に調整できます。
出力ケーブルには低用量タイプを採用しており、4チャンネル再生にも対応しています。
機種の定格
型式 | ベルトドライブ・プレイヤー |
<ターンテーブル部> | |
駆動方式 | ベルトドライブ方式 |
駆動モーター | 4極シンクロナスモーター |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
ターンテーブル | 30.5cmアルミダイキャスト製、2kg |
慣性モーメント | 238kg・cm2 |
ワウ・フラッター | 0.05%以下WRMS |
SN比 | 55dB以上 |
プレイヤーボード | アルミダイキャスト製 |
<トーンアーム> | |
トーンアーム型式 | スタティックバランス・ユニバーサル型(PMS-169) |
実効長 | 235mm |
オーバーハング | 14mm(適正針先位置標点つき) |
トラッキングエラー | ±1.75゜ |
針圧調整 | 1回転1g直読式 |
適合カートリッジ自重範囲 | 4g~15g(針圧2g時) |
ヘッドシェル | 軽合金、プレス形プラグイン式 |
アームリフター | ロータリー式ディレーモーションオイルダンプ |
<カートリッジ部> | |
カートリッジ型式 | MM型(JM-12) |
交換針 | 0.7milダイヤ針(DSN-28) |
周波数特性 | 20Hz~25kHz |
出力電圧 | 3.4mV(1kHz、50mm/s) |
チャンネルセパレーション | 25dB以上(1kHz) |
適正針圧 | 2.5g~3g |
コンプライアンス | 6x10-6cm/dyne |
負荷抵抗 | 50kΩ |
カートリッジ自重 | 6g |
<総合> | |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 9W |
外形寸法 | 幅482x高さ183x奥行410mm |
重量 | 10kg |