オーディオの足跡

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DR-M27HXの画像
 解説 

徹底的に防振構造とすることでさらなる音質向上を図ったステレオカセットデッキ。

トップカバーは天板の内側にもう一枚の鋼板を貼りあわせた二重構造となっており、底板には鋼板と樹脂膜で3層に構成したバイブレスボトムプレートを採用しています。このプレートは振動吸収効果が極めて高く、デノンのCDプレイヤーにも使用されています。
また、キャプスタンモーターを低反撥ゴムで1.6mm厚メカベースに取付、フローティング構造としています。さらに脚部には振動吸収効果に優れた焼結合金大型インシュレーターを採用しています。

テープ走行メカニズムにはデノン独自の専用駆動ベルト方式によるクローズドループデュアルキャプスタン方式を採用しており、リールの微振動や様々な要因による外乱を2組のキャプスタン間で断ち切り、変調ノイズを大幅に低減するとともに常に優れたヘッドタッチを確保しています。
キャプスタンモーターにはトルクが強く、トルクむらも無い電子制御DCモーターを採用しており、テイクアップ側に慣性モーメントの大きいフライホイールを採用し、優れたワウ・フラッター特性を実現しています。

走行系には高信頼度ロータリーエンコーダー方式によるコンピューター制御サイレントメカニズムを採用しています。
この方式は、光学式回転検出、独自の位置検出用ローターエンコーダー、メカ制御用(カム駆動用)モーターで構成されており、これら全てをマイクロコンピューターで制御することで、テープの位置検出や駆動モードの確認を素早く正確に行っています。
また、テープ走行のトータルクオリティを確保するため、巻取りメカニズムにはDCモーターとノンスリップリールドライブ機構を採用しており、常に最適なテープテンションを得ることが可能になっています。また、ハーフと巻取りリール台の間の機械的な摩擦が無いため、テープ巻取り時のノイズが無くテープ走行に悪影響を与えません。しかも摩擦個所が無くなることでメカニズムの耐久性を向上しています。

カセットテープ弛み防止機構を搭載しています。

録再ヘッドにはSFコンビネーションヘッドを採用しています。
録音ヘッドには飽和磁束密度の高いスーパーパーマロイコアを使用しており、テープのMOLを最大限に発揮するとともに耐摩耗性を高めています。また、再生ヘッドには高域特性がよく耐摩耗性にも優れた微粒子フェライトコアを採用しており、摺動ノイズや温度変化による磁気特性の変動を低減しています。さらに、コイルには無酸素銅線(OFC)を使用することで歪の低減を図っています。
これらのヘッドを高精度にコンビネーション化することで、録音・再生ヘッド間のアジマスのズレ及びヘッドマウント調整を大幅に改善しています。

消去ヘッドには消去効果の高いダブルギャップフェライトヘッドを採用しています。

電源トランスはノイズの影響を防止するためヘッド部から極力離すとともにシャーシにはプレートを介して取付け、振動による影響を排除しています。また、トランスの二次側はアンプ系とロジック/メカ系の回路を完全に分離しており、ノイズ混入などの影響を排除しています。

録音アンプにはデッキ専用に開発された1チップLSIを採用しており、左右チャンネルの特性を揃えるとともに高安定化を図っています。さらに録音アンプではC.C.D.C.(Constant Current Drive Circuit:定電流駆動回路)を採用しており、出力抵抗を排除することで録音周波数の変化によるヘッド電流の変化を排除し、ダイナミックレンジをアップするとともに低歪率を実現しています。
再生アンプにはローノイズICを使用することでS/N比を向上させています。
録音・再生アンプはそれぞれヘッドに直結されており、音質劣化の原因となるカップリングコンデンサーを排除しています。

ドルビーHXプロを搭載しています。
ドルビーHXプロは従来の固定バイアス方式で問題となっていたオーバーバイアスを解消した方式で、録音時に入力信号に高域成分が多い場合はそれに対応して発振器からのバイアス量を自動的に下げるように動作します。これにより大幅に高域特性が改善するとともに全帯域にわたって歪を減少させています。また、温度変化などによってヘッドのインピーダンスが変化しても実効バイアス値は常に一定であるため、長時間の録音でも高域周波数特性の劣化がありません。

ノイズリダクションシステムとしてドルビーBタイプとドルビーCタイプを搭載しています。
ドルビー回路には新開発の左右チャンネル対称型ワンチップLSIを採用しています。また、DR-M27HXではドルビーICを録音回路と再生回路で独立させたダブルドルビー構成となっており、アフターモニター(同時再生)時にもドルビー効果が確認できます。

RECキャリブレーションコントロール機能を搭載しており、FMチューナーのレコーディングキャリブレーション信号やテストレコードのシングルトーン信号などを利用してテープ時とソース時のレベル合わせを行うことで、各種テープの録音感度が補正できます。
また、Bias Fineでは録音バイアス量を微調整することができます。

ディスプレイ部にはメモリーストップ機能を持つ4桁デジタルカウンターと、+8dB~-20dBのバーグラフ式ピークメーターを搭載しています。また、動作状態やテープポジション、メモリーストップなどの各種インジケーターを搭載しています。

メモリーストップ機能を搭載しています。

オートテープセレクターを搭載しており、テープをセットすると自動的に各テープを識別してバイアス/イコライザーを自動設定します。

MPXフィルタースイッチを搭載しており、FM電波に含まれている19kHzのパイロット信号をカットすることでドルビーNRの誤動作を防止できます。

Pause/Mute機構を採用しており、ポーズとミュートを一体化しています。
録音状態でPause/Muteボタンを押すと(0.5秒以内)録音ポーズになり、1秒以上押し続けると5秒の無録音部分を作って録音ポーズとなります。

ワンタッチレックポーズ機構を採用しており、Recボタンだけで録音スタンバイとなります。

後追い録音機能を搭載しており、再生中のテープの走行状態からそのまま録音状態に移れます。

バランスボリュームを搭載しています。

タイマーPlay-Rec機構を搭載しており、別売りタイマーを接続することで留守録音や目覚し再生が可能です。

ワイヤレスリモコンが付属しています。

機種の定格
型式 カセットデッキ
トラック方式 4トラック2チャンネルステレオ
テープセレクター 3段オートテープセレクター(Normal、High(CrO2)、Metal)
ヘッド 録音:ハードパーマロイOFCコイルヘッド
再生:フェライトOFCコイルSFヘッド
消去:ダブルギャップフェライトヘッド
モーター キャプスタン用:電子制御DCモーター
リール用:DCモーター
メカ制御用:DCモーター
ワウ・フラッター ±0.08%W.Peak(EIAJ)
0.042%WRMS(JIS)
早巻時間 約90秒(C-60)
総合周波数特性(入力-20VU) Metalテープ:20Hz~22kHz(25Hz~20kHz ±3dB)
総合SN比 75dB以上(3%THD、CCIR/ARM、Dolby C NR on)
入力端子 Line:80mV/50kΩ不平衡
出力端子(Vol.max) Line:775mV/47kΩ負荷時
Headphone:1.5mW/8Ω負荷時(8Ω~1.2kΩヘッドホンに適合)
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 18W
外形寸法 幅434x高さ133x奥行300mm
重量 7.8kg
付属 ワイヤレスリモコン RC-101