DENON DCD-S10II
¥190,000(1997年発売)
解説
新防振メカニズムを採用したS10の後継機にあたるCDプレイヤー。
構造的に安定度が高いセンターメカマウントの採用に加え、駆動メカニズムを多い回路への影響をカットするメカカバーを採用しています。また、振動を熱に変換してシャーシへの伝搬を抑制する焼結合金インシュレーターに吸振素材エクセーヌを貼り、振動の伝搬をさらに抑止しています。
15mm厚のフロントパネルや2重構造のボトムカバー、トップカバーなど内部・外部から振動による音質劣化を徹底して排除しています。
トレイ部にはハイブリッド構造ローダーを採用しています。
トレイには高い防振性を発揮するプロテイン配合塗料を用いることで不要な振動を抑制しています。
さらに振動の抑止に効果が高い軽量・高剛性のアルミダイカストシャフト受けを採用するとともに、トレイ下部にプレートを装着し、ディスクの回転によるトレイの微妙な変形も抑え、安定した回転の確保と振動の吸収を実現しています。
トレイレールの本体受け部にベアリングを使用しており、スムーズなトレイ駆動を実現しています。
これにより正確なトレイ収納が得られるだけでなく、トレイの確実なホールドで振動による音への影響を最小限に抑えています。
独自のアナログ波形再現技術であるALPHAプロセッサーを搭載しています。
デジタルデータとしてCDなどに記録された時に失われた信号の補間を行い、録音以前に存在したはずの音に限りなく近づけることでアナログに近い滑らかな波形を再現しています。また、デジタルの宿命であった量子化歪みも大幅に低減され、より原音に近い再現性能を得ています。
D/A変換部にはDENON独自のラムダS.L.C.を採用しています。
この方式ではデジタルデータを2系統に分離し、それぞれゼロクロス点付近に+と-方向にデジタルバイアスかけてシフトし、原理的にゼロクロス歪を排除しています。
ハイスピードでアナログ信号に変換するマルチビット方式の高精度20ビットD/Aコンバーターとの組み合わせにより、ダイナミックレンジを大幅に改善しています。
デジタル入力端子を搭載しており、D/Aコンバーターとしても使用できます。
本体のOutputセレクターによりデジタルアウトも選択可能となっています。
ピックアップ部にはシンプルな構造ながら高い性能を発揮するピックアップを採用しています。
振動を徹底的に抑え込むハイブリッド構造ローダー部の採用と相まって正確な信号読取りを実現しています。
また、パーツの点数を削減することでトレース精度の向上や耐久性・信頼性の向上を実現しています。
デジタル信号の影響による音質劣化を防ぐため、デジタル回路とアナログ回路を徹底分離することに加え、さらにトランスから基板までも分離しています。
デジタル系はコンパクトにまとめ、アナログ系への干渉を最小限に抑えています。また、導電率が高い銅メッキシャーシを採用することで電磁波の音への影響を抑えています。
サーボ回路にはデジタルサーボを採用しています。
ディスク毎に最適なサーボ量を検出し、ディスクに合わせてサーボ量を調整しています。
D/AコンバーターなどのIC、抵抗、コンデンサ、配線材に至るまで厳選したものを採用しています。
また、電源ケーブルにはOFC線材を用いた着脱タイプ極太ACコードを採用しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
D/A変換部方式 | リアル20ビット4DACラムダスーパーリニアコンバーター |
フィルター | 20ビット8倍オーバーサンプリングデジタルフィルター+GIC3次アナログフィルター |
周波数特性 | 2Hz~20kHz |
SN比 | 118dB |
ダイナミックレンジ | 100dB |
全高調波歪率 | 0.0018%(1kHz) |
チャンネルセパレーション | 110dB(1kHz) |
デジタル入力 | 光出力:1系統 同軸出力:1系統 |
デジタル出力 | 光出力:1系統 同軸出力:1系統 |
アナログ出力電圧 | 固定:2.0V/10kΩ 可変:0.2~2V/10kΩ |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 20W |
外形寸法 | 幅434x高さ135x奥行350mm(フット、ツマミ、端子含む) |
重量 | 14.0kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |