DENON DCD-970
¥49,800(1991年頃)
解説
ラムダS.L.CダブルD/Aコンバーターを搭載したCDプレイヤー。
D/A変換部にはラムダS.L.CのダブルD/Aコンバーターを搭載しています。
ラムダはLAMBDA(Ladder-from Multiple Bias D/A)の略で、新開発のLSIを用いてデジタルデータを2系統に分け、それぞれゼロクロス点付近に+と−方向にデジタルバイアスをかけてシフトし、原理的にゼロクロス歪を無くす方式となっています。
この方式では、デジタルデータがシフト量よりも小さい場合は元のゼロクロス点を横切る値が無いため、ゼロクロス歪が発生しません。さらに2つのデータをD/A変換してから加算することで直流分が除かれて合成され、ゼロクロス歪の全く無いアナログ出力を得ることができます。この2つのデータはMSBの反転が無く、合成された波形にもゼロクロス歪がありません。しかも、どこかのビットに誤差があっても2つの信号の平均によって歪は1/2に減少します。
また、デジタルデータがシフト量を越える大きさのレベルの場合は本来のゼロクロス点を横切ることになるため、歪が発生する可能性がありますが、これについてもS.L.C(スーパーリニアコンバーター)のMSB補正で除去しています。さらに、楽曲1曲中に全くないか、あるいは数回しかない一瞬のピークレベル時(最大レベルの約99.6%以上)ではラムダはシフト演算をやめ、コンバーターのダイナミックレンジを最大限に使って広ダイナミックレンジを確保します。
デジタルフィルターには8倍オーバーサンプリングデジタルフィルターを搭載しており、コンバーターの出力に含まれる24.1kHz以上の高周波雑音をサンプリング周波数を8倍に上げることで高域に移し、アナログフィルターで除きやすくしています。
デノン独自のデジタルピッチコマンダーを搭載しており、±12.0%までCDの再生ピッチを変えることができます。
この機能は、デジタルPLLでCD再生のピッチを0.1%刻みで調整できます。
ピックアップ部のサポート部分には新開発PUメカを採用しており、耐振性を高めています。
また、RFアンプを内蔵することで再生信号の精度を向上させています。
4段階のディスプレイディマー機能を搭載しています。
光デジタル出力を搭載しています。
金メッキ仕上げのヘッドホン端子を採用しています。
リモコン電子ボリュームを搭載しています。
インデックスサーチなどの機能を搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
D/A変換部方式 | リアル20ビットラムダ・スーパーリニア・コンバーター(2D/Aコンバーター方式) |
フィルター | 20ビット8倍オーバーサンプリング・デジタルフィルター アナログアクティブフィルター |
周波数特性 | 2Hz~20kHz |
SN比 | 110dB |
ダイナミックレンジ | 99dB |
全高調波歪率 | 0.0025% |
チャンネルセパレーション | 103dB |
チャンネル間位相差 | 2゜以内 |
出力電圧 | 固定:2V/10kΩ負荷時 可変:0~2V/10kΩ負荷時 |
ヘッドホンジャック | 最大出力10mW/32Ω負荷時、ボリューム付き |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 10W |
外形寸法 | 幅434x高さ110x奥行280mm |
重量 | 4.0kg |
付属 | ワイヤレスリモコン RC-234 |