DENON DCD-1800
¥159,000(1983年発売)
解説
新開発のスーパーリニアコンバーターを搭載した一般用CDプレイヤー2号機にあたるCDプレイヤー。
D/A変換部にデノンのPCMオーディオ技術を導入したスーパーリニアコンバーターを搭載しています。
一般に16ビットのD/Aコンバーターは16組の高精度・高安定な抵抗が必要になりますが、この抵抗の極僅かな誤差がゼロクロス歪を発生させる原因となっています。これはB級アンプのクロスオーバー歪に似た歪で、信号のプラスマイナスが接するゼロポイントで発生します。これは信号波形の大小に関わらず発生するため特に小さい音の時には音質を大きく劣化させます。
スーパーリニアコンバーターは16ビット高精度D/A変換機と変換誤差検出訂正回路で構成されています。まず高精度・高安定度の抵抗を用い、しかも誤差の補正を容易に行えるコンバーター方式を採用することで基本性能を高めます。そして得られたアナログ信号に変換誤差検出訂正回路によって得た補正用信号を加えることでD/A変換誤差を低減し、ゼロクロス歪を排除しています。
メカニズム部には新開発のリニアドライブトレーサーを搭載しており、長期間にわたって精密かつ高安定な信号のピックアップを実現しています。
メカニズムの中核となるアームセンターシャフトやスピンドルシャフトなどの主要パーツは全て厚肉の一体成型の堅固なアルミダイカストシャーシに固定し、取付精度の長期に渡る保持を図っています。そして、このダイカストシャーシをメインシャーシからダンピング・フロートすることによって外部の微振動のピックアップへの影響を解消しています。
また、ピックアップは扇型のトレースアームと一体で駆動されており、そのトレースアームはピックアップ駆動用のサーボモーターで直接駆動するDN-3000Fと同じ方式を採用しています。
回転系の中心にはCDプレイヤー用に開発されたDCサーボモーターによるダイレクトドライブ方式を採用しています。
アンプ回路はDCアンプ構成とすることで低歪、広ダイナミックレンジ化を図っています。
電源部は電源トランスを外付けとすることでリーケージフラックスによる影響を排除しています。
また、電源トランスの二次側はメカニズム駆動部&サーボ部、アナログアンプ部、デジタルディスプレイ部の独立3系統とし、各セクション間の干渉を排除しています。
ディスプレイ部にはコンピューター制御による集中ディスプレイを採用しています。
ダイレクト選曲や最大15曲のプログラム演奏、インデックス選曲、イントロサーチ、スキップモニター、コール機能、全曲/2点間リピート機能、クイック選曲機能、タイマー再生機能などを搭載しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
チャンネル数 | 2チャンネル |
D/A変換方式 | スーパーリニアコンバーター |
フィルター | 高精度11次アナログフィルター |
周波数特性 | 5Hz~20kHz ±0.5dB |
SN比 | 96dB |
ダイナミックレンジ | 95dB |
全高調波歪率 | 0.0028%(1kHz) |
チャンネルセパレーション | 94dB(1kHz) |
ワウ・フラッター | 測定限界(±0.001%W.Peak)以下 |
出力電圧 | 2.0V(最大記録レベル時) |
ピックアップ方式 | 2次元平行駆動、対物レンズ駆動方式 |
光源/波長 | 半導体レーザー/800nm |
付属機能 | ダイレクト選曲 クイック選曲 プログラム選曲(最大15曲) リピート演奏(全曲、プログラム、2点間) イントロサーチ インデックスサーチ スキップモニター ポーズ プログラムコール タイマー再生 レベル可変ヘッドホン端子 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 28W |
外形寸法 | 幅464x高さ110x奥行372mm |
重量 | 9.5kg |