DENON DP-3000
¥43,000(1972年6月発売)
解説
DP-5000の性能やデザインを継承し、さらにコストパフォーマンスを追及したダイレクトドライブターンテーブル。
DP-3000では、まず、スピード検出用磁気ヘッドでターンテーブルのリム内側に記録されているパルスを検出し、そのパルス信号を増幅して、リミッタ回路を通し、復調回路によって、スピードの変化を電圧の変化に変換します。そしてこの電圧とあらかじめ規定のスピードになるようにセットされた基準電圧とを比較し、その差の電圧でモーターの駆動電源電圧をコントロールしてサーボを行っています。
これによりスピード切換は基準電圧を切換えることによって簡単に行う事ができます。また、使用されている回路及び素子は安定度が極めて高く、温度変化や経時変化、負可変同時にも信頼度の高い特性を実現しています。
スピード検出は、ターンテーブルのリム内側に抗磁力の大きな材料で磁気コーティングを施し、特殊な方法で一定波長のパルスを高い精度で高密度記録しています。これを約1/10mmの間隔で取り付けられた検出用磁気ヘッドで検出しています。
この方法では、記録パルスの波長誤差はわずか0.01%以下に抑えられ、ターンテーブル全周に1000ヶ所のパルスを記録してあるため、33
1/3rpmのスピード時において、検出するパルスの周波数は約550Hzが得られます。
この周波数は他の方法と比較して5倍以上あり、周波数-電圧変換回路にある積分回路の時定数を大幅に小さくすることが可能となっています。
ターンテーブルには、重量1.1kg、慣性質量160kg・cm2の軽量ターンテーブルを採用しており、起動時間を早くするとともに、軸受けの負担を軽減し、長時間にわたって安定した性能を得ています。
±3%の範囲で速度調節が可能です。
モーターにはソリッドロータ形トルクモーターを採用しています。
機種の定格
型式 | ターンテーブル |
駆動方式 | サーボ式ダイレクトドライブ |
モーター | ソリッドロータ形トルクモーター |
スピード制御 | 周波数検出によるサーボ |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
スピード切換機構 | 電気的切換 |
起動時間 | 1.8秒(1/2回転、33・1/3rpm) |
ワウ・フラッター | 0.03%wrms以下(テストレコードによる) |
モーターボード | アルミダイキャスト |
SN比 | 60dB以上 |
ターンテーブル | 30cmアルミダイキャスト、1.1kg |
慣性モーメント | 160kg・cm2 |
回転数調整範囲 | ±3% |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
外形寸法 | 幅370x高さ139x奥行374mm |
重量 | 6.7kg |