DENON DL-202
¥30,000(1979年頃)
解説
軽質量振動系を採用することで高性能化を図ったシェル一体構造のMM型カートリッジ。
DL-202はカンチレバーをMM型では限界と思われるまで軽量化しており、しかもその質量配分を適切にすることによってシャープなトレース能力を確保しています。また、微小のスタイラス・チップや、軽量化と剛性を同時に満たすテーパー状の二重パイプ構造カンチレバーを採用することで、機械インピーダンスの低減と、中高音域における周波数特性の平坦化を図り、60kHzという超高域特性を実gねしています。
発電機構には、サマリウム・コバルト系の円盤状マグネットと、磨き上げたE字型コアを用いた4コイル12ポールのダブル・プッシュプル方式を採用しています。これによって直線性領域を拡大しています。
振動系、発電機構のそれぞれの特徴を最大限に引き出すため、振動系は上下・左右方向だけに均一な自由度が得られる一点支持方式でサポートしています。これにより振動支点を明確にして歪を低減し、針圧対出力特性をフラットにしています。
アンプ入力の負荷による特性変化を小さくするため、ローインピーダンス型(600Ω、1kHz)とし、かつ高出力なため、アンプを選ばずに安定して優れた性能を発揮できます。
シェルの形状や材質、取付誤差による性能劣化を防ぐため一体化構造を採用しています。これによりシェルによる共振現象や、リード線による外部誘導ノイズを防止し、常に安定した動作が可能にしています。
機種の定格
型式 | シェル一体構造MM型カートリッジ |
出力電圧 | 2mV(1kHz、5cm/s、水平方向) |
再生周波数範囲 | 20Hz~60kHz(データ付き) |
出力インピーダンス | 600Ω(1kHz、270Ω、85mH) |
適合負荷 | 約50kΩ、100pF~200pF |
チャンネルセパレーション | 25dB以上(1kHz) |
チャンネルバランス | 1dB以内(1kHz) |
スタティックコンプライアンス | 32x10-6cm/dyne |
ダイナミックコンプライアンス | 13x10-6cm/dyne(100Hz、レコード測定) |
針先(チップ) | 0.1x0.1mm角ソリッドダイヤ特殊楕円針 |
適正針圧 | 1.5±0.2g |
自重 | 16.0g |
針交換 | DSN-46(¥15,000) |