DENON DA-309
¥32,000(1977年頃)
解説
より使い易いダイナミックダンピング型アームとして開発されたユニバーサル型トーンアーム。
アーム各部の固有振動や外来振動の影響を低減するため、ダイナミックダンピング機構を採用しています。
この方式ではトーンアームパイプと本体部を分割しており、アームの上下・左右方向には自由に動き、トーンアーム・パイプの軸方向および回転方向の動きを抑えたフレキシプル・カプラーで継ぎ、パイプの支点側を適度な粘弾性材料で制動しています。
このような構造とすることでアームベースから入ってくる振動を制動し、アームを構成する各部の固有振動を大幅に軽減しており、アームベースをバイブレーターで振動して測定すると、ダンピング機構の無いトーンアームと比較して最大15dBの改善効果を実現しています。
無接触式のインサイドフォースキャンセラーを搭載しています。
この方式は回転ドラムにテーパー状にした磁性板を巻きつけたものと磁石を用いた構造となっています。回転ドラムに磁石を近づけると磁性板の巻きつけ範囲角度内にてテーパー部の幅の狭い方からより広い方へ引きつけるような回転力が生じます。この回転トルクをインサイドフォースを打ち消す力に利用しています。
DA-309では回転ドラムと磁石の距離を変化させることによって針圧別の回転トルクを調節しています。この方式は無接触構造となるため、トーンアームの性能を損なわず、しかもレコード上のカートリッジの針先位置によるインサイドフォースの変化に追随できるため、常に適正なアウトサイドフォース量を得ることが出来ます。
また、ワンタッチでキャンセル機構をOFFにすることができ、ゼロバランス調整時にも便利となっています。
ヘッドシェルには新構造のシェルを採用しています。
軽量で剛性の高いマグネシウム合金と内部損失の大きい特殊粘弾性体を組合せることで共振を制動しています。
付属のサブウェイトを使用することで殆どのカートリッジが装着可能となっています。
操作性を考慮してアームリフターのレバーを手前側に設けています。
低容量出力コードを採用しています。
機種の定格
型式 | スタティックバランス型トーンアーム |
全長 | 340mm(最大) |
有効長 | 244mm |
オフセット角 | 20.5゜ |
オーバーハング | 14mm |
高さ調整範囲 | 42~70mm(キャビボード面よりパイプ中心まで) |
トラッキングエラー | 2.5゜ |
針圧調整範囲 | 5g~15g 15g~25g(付属サブウェイト使用) |
ヘッドシェル | マグネシウム合金ダイカストと粘弾性体の組合せ |
ヘッドシェル自重 | 約9g |
インサイドフォースキャンセラー | マグネチックコントロール方式(解除機構付き) |
アームリフター | オイルダンプ式 |
取付可能ボード厚 | 5~25mm |
出力コード | 低容量コード(5Pコネクター付き) |