DENON AU-1000
¥150,000(1983年発売)
解説
DL-1000Aの性能を引き出すために開発されたMCカートリッジ用昇圧トランス。
再生出力を忠実に昇圧することを目的とするため、インピーダンスは固定となっています。
また、音質劣化の要因を極力排除するため、バイパススイッチも省略されたシンプルな構造となっています。
トランスコアは徹底した素材管理のもとで厳しいスペックをパスしたものとして、特殊形状の大型パーマロイ薄板を積層で採用しています。
これにより透磁率は低音域において従来の約1.5倍を実現しており、全域にわたって高い飽和磁束密度を獲得しています。また、高い透磁率と大型コアによって少ない巻線で十分な低音域特性を確保しています。さらにコイルの分割サンドイッチ巻きによって線間容量等を低減し、高音域を伸ばしています。
さらに従来より約1.4倍太い一次巻線を採用する事で抵抗損失を低減しています。
トランス単体は2重シールド及び充填剤による固定が施されており、振動を徹底して排除しています。
さらにL/Rチャンネルは独立構造によってクロストークも完全に防止しています。
左右チャンネルが独立した構造を採用しており、相互干渉を排除しています。
出力ケーブルには無酸素銅線を用いたローノイズ・低容量ケーブルを採用しており、ケーブルによる特性への影響を抑えています。
また、プラグには金メッキピンプラグを採用しています。
機種の定格
型式 | 昇圧トランス |
昇圧比 | 1:11(21dB) |
適合カートリッジインピーダンス | 10~40Ω |
適合負荷 | 50kΩ |
周波数特性 | 5Hz~200kHz |
外形寸法 | 幅180x高さ113x奥行245mm |
重量 | 約12kg |