DENON PMA-S10II
¥230,000(1997年2月発売)
解説
UHCシングルプッシュプル構成を採用したプリメインアンプ。
大電流型増幅素子UHC-MOSを用いたUHCシングルプッシュプル回路を採用しています。
UHC-MOSは電流供給力がバイポーラトランジスタと同等以上に改善され、MOS-FETの音質的なメリットも持っているため、表現力とスピーカードライブ力の相反する問題を解決しています。
パワートランスは、大型磁気回路を低い磁束密度で使用することにより磁気飽和領域に対して広いダイナミックレンジを持つ音楽信号への追従性を向上しています。また、LCマウント方式の採用でアンプ内のノイズ源であるリーケージフラックスを大幅に低減しています。
さらに、電圧増幅段やフォノ・イコライザーの電源の巻線を独立し、信号リレー等を制御するコントロール回路電源のトランスも独立させることにより、各回路間の相互干渉を抑えています。
回路間の相互干渉やノイズの流入による音質劣化を抑えるため、パワーアンプブロックを左右独立させたツイン・モノラル構成や、信号レベルの異なる回路を分離し遮蔽を徹底した6ブロック構造を採用しています。
また、振動によるノイズの発生を抑えるため、シャーシはセパレートアンプと同一グレードの厚さ1.6mmの鋼板に黒色塗装を施して使用しています。
さらに、パワートランス取付部には振動減衰特性に優れた異なったマテリアルを組合わせた積層構造を採用しており、パワートランスから発生する振動を抑える高い剛性と耐振性を確保しています。
インシュレーターには、振動を熱に変換しシャーシへの伝播を抑制する焼結合金を使用しており、さらに吸振性の高い新素材を貼り、振動の伝播を抑えてます。
スピーカーターミナルには、黄銅削り出しパーツに金メッキを施し伝送ロスを低減しています。
またクランプ部の穴径をφ6mmと大型にし、極太スピーカーケーブルへの対応を図っています。
電源部の整流回路には、優れた大電流供給能力に加え、動作速度と電圧のロスを大幅に改善した、大電流ファースト・リカバリー・ダイオードを並列接続で採用しています。
さらに、低インピーダンス電極箔を使用した大容量高音質電解コンデンサーと周波数特性の異なるフィルムコンデンサーの組合せにより、特性の改善を図っています。
また、パワートランス出力からパワーアンプ出力段までの配線は、極太のOFC配線材を使用し、エネルギー損失を最小限に抑えています。
フォノイコライザー部にはローノイズFETを使用したディスクリート構成の初段回路を採用しています。
また、フォノイコライザー専用の安定化電源を設ける事で音質の改善を図っています。
40型4連ボリュームをはじめ、大型削り出し金メッキピンジャック、OFC内部配線材、不活性ガス封入型リレー、高音質コンデンサー、着脱タイプのACコードなど、S1シリーズで採用されたパーツを使用しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
<パワーアンプ部> | |
定格出力 (両ch駆動、CD→SP out) |
100W+100W(8Ω、20Hz~20kHz、THD 0.07%) 200W+200W(4Ω、1kHz、THD 0.7%) |
全高調波歪率 | 0.01%(定格出力-3dB時、8Ω、1kHz) |
出力端子 | スピーカーAorB:4Ω~16Ω スピーカーA+B:8Ω~16Ω バイワイヤリング時:4Ω~16Ω |
<プリアンプ部> | |
入力感度/インピーダンス | Line:150mV/47kΩ(ソースダイレクトoff) 150mV/15kΩ(ソースダイレクトon) Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:0.2mV/100Ω |
イコライザーアンプ出力 | 150mV |
RIAA偏差 | Phono MM:20Hz~20kHz ±0.3dB Phono MC:30Hz~20kHz ±0.5dB |
<総合> | |
SN比(Aネットワーク、 入力端子短絡時) |
Line:110dB Phono MM:91dB(5mV入力時) Phono MC:78dB(0.5mV入力時) |
トーンコントロール | Bass:±8dB(100Hz) Treble:±8dB(10kHz) |
電源コンセント | switched:2系統、合計120W unswitched:1系統、240W |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 300W |
外形寸法 | 幅434x高さ181x奥行485mm (脚、ツマミ、端子含む) |
重量 | 30.0kg |