オーディオの足跡

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PMA-700Zの画像
 解説 

Simple is Bestの考え方を追求して開発したプリメインアンプ。

インテグレーテッドアンプは通常はイコライザアンプなどの前段アンプ部、トーンコントロールアンプなどの中間コントロール部、パワーアンプなどの終段アンプ部で構成されています。
PMA-700Zに採用されたダイレクトカップル方式では、中間コントロール部が必要無い時は主回路から切り離すことができます。また、無用の飽和を回避するため独自のゲインスイッチを設けています。トーディンフィートと2つのフィルタースイッチをオフにすると、イコライザンプとその他ファンクション入力からの信号はエミッタフォロワ段と必要に応じて+10dBのブースターアンプといった伝送特性の良いアクティブ回路か、リアクタンスをもたないアッテネーターを経由するだけとなり、10Hz~150kHzの範囲でフラットな周波数特性でパワーアンプ部に接続されます。これにより色付けを少ない再生音を追求しています。

パワーアンプ部は差動2段・ダーリントン純コンプリメンタリー全段直結・2電源OCL回路を採用しています。
全段直結OCL回路とコンプリメンタリー回路は直流的安定性とバランスが要求されますが、PMA-700Zではドライバー部に差動アンプを2組用いることで直流に対する制御能力を高め、安定度を得ています。さらに全段直結OCLが低域の諸特性を改善しており、特に出力インピーダンスは超低域から10kHzまで0.16Ω以下となっています。
終段構成のダーリントントランジスタはディスクリート構成とすることで最終段に余裕を設け、部品を厳選しコンプリメンタリー段の相対性の確保を図ることでスイッチング歪やクロスオーバー歪を抑えています。

電源部には高効率電源トランスと無誘導ハイリップル型コンデンサを使用しています。

トーンコントロール回路は初段をエミッタフォロワとし、2段目にローノイズFETを使用し、3段目にコレクタ接地増幅出力を採用しています。コントロール特性は3段目から2段目へ戻されるトーンコントロールNF回路で得ています。
BassとTrebleの調整は11接点ロータリースイッチを採用しており、正確な2dBステップ間隔で調整できます。

トーンコントロール部にはターンオーバースイッチとトーンディフィートスイッチを搭載しています。
ターンオーバースイッチでは高低それぞれ2つのターンオーバー周波数が選択でき、Defeatにした場合20Hz~20kHzでフラットになります。さらにトーンディフィートスイッチではトーンアンプをジャンプし、初段エミッタフォロワ出力が直接次のフィルタスイッチに入力されます。トーンアンプは基本利得無しで設計されているため、トーンジャンプしてもレベルの変化がありません。

フィルター回路はランブル用、スクラッチノイズ用ともにバターワース型を採用しています。
この回路も通過帯域に利得が無いため、フィルタースイッチオフで回路をジャンプしてもレベル上の問題がありません。

従来のミューティングスイッチだけでなく、3段階切換式のゲインスイッチと、ブースターアンプを交えた独自のレベル設定を採用しています。
ゲインには+10dB、0dB、-10dBの3ポジションがあり、+10dBでは利得10dBのブースターアンプが入ります。この状態が従来の考え方のレベルに相当します。平均的なカートリッジを使用した場合は、Gainを0dB、Volumeを-10dB前後がPMA-700Zの標準的な使用方法となります。また、Gain-10dBは感度が高いカートリッジを使用する際に活用できます。
ミューティングスイッチはGainが0dBの音量を基準として20dB抑えることが出来ます。

イコライザアンプ部は許容入力レベルの向上を図ると共に、ノイズレベルの低減を図っています。
また、厳選された高精度パーツと後続回路の影響を受けにくいエミッタフォロワ終段からのフィードバックによって優れたRIAA偏差を獲得しています。
さらにPhono2入力にはMCカートリッジ用のグランデッドベース形ローノイズ・プリアンプを搭載しており、MCとMMの切換使用が可能です。

入力回路にはボリュームを設けており、接続機器の定格出力が大きい場合などに調整することで初段の増幅部での歪を抑えることができます。
このボリュームは最大で標準入力感度となります。

録音用出力にはエミッタフォロワ回路を採用しており、テープデッキ接続による音質面への影響を回避しています。
また、Tape端子にはDINコネクタが併設されています。

保護回路は終段トランジスタ保護回路とスピーカー保護回路を搭載しています。

ナル・バランススイッチや、Rev/Stereo/L+R/L/Rが選択できるモードスイッチ、スピーカーセレクタースイッチ、ダビングスイッチ、モニタースイッチなどの機能を搭載しています。

ラウドネスコントロールを搭載しています。

プリアウトとメインイン端子を搭載しており、プリアンプ部とパワーアンプ部を独立して使用できます。

機種の定格
型式 プリメインアンプ
<パワーアンプ部>
回路方式 純コンプリメンタリー全段直結2電源OCL回路
定格出力(THD 0.05%)
片ch駆動:

両ch駆動:
100W/100W(4Ω)
80W/80W(8Ω)
85W+85W(4Ω)
70W+70W(8Ω)
全高調波歪率 0.05%以下(定格出力時、正弦波)
混変調歪率
(60Hz:7kHz=4:1)
0.1%以下(定格出力時、正弦波)
0.05%以下(80mW相当振幅出力時、正弦波)
パワーバンドウィズ 8Hz~30kHz(THD 0.1%)
周波数特性 8Hz~150kHz ±0.5dB
入力感度 1Vrms
入力インピーダンス 80kΩ±20%(20Hz~20kHz)
出力インピーダンス 0.16Ω以下(10kHz以下、純抵抗)
残留雑音 0.5mV以下
<プリアンプ部>
最大出力 14.2Vpeak以上
定格出力 1Vrms(10kHz、THD 0.05%以下)
全高調波歪率 0.02%以下(定格出力時)
0.05%以下(1kHz、10Vpeak時)
入力感度/インピーダンス Phono1:3.2mVrms/50kΩ±10%
Phono2 MM:3.2mVrms/30kΩ±10%
Phono2 MC:0.32mVrms/150Ω±10%
Aux1、Tape1:320mVrms/50kΩ±10%(Level adj max)
Aux2、Tuner、Tape2:320mVrms/100kΩ±10%
Rec/PB1、2:500mVrms/50kΩ±10%
最大許容入力 Phono1、2(MM):100mVrms以上(1kHz)
Phono2(MC):10mVrms以上(1kHz)
トーンコントロール部周波数特性
Tone defeat:

Tone filter:
7Hz~300kHz +0 -1dB
10Hz~150kHz ±0.5dB
15Hz~60kHz +0 -1dB
20Hz~20kHz ±0.5dB
トーンコントロール折曲点 Bass:320Hz、640Hz
Treble:1.6kHz、3.2kHz
トーンコントロール可変範囲 100Hz±10dB、2dBステップ
20kHz±10dB、2dBステップ
フィルター特性 Low:40Hz、18dB/oct、バターワース型
High:9kHz、18dB/oct、バターワース型
ラウドネスコントロール特性 低域:100Hz、+6.5dB
高域:10kHz、+6dB
ミューティング -20dB(Gain SW、0dB時のレベルに対して)
<総合>
RIAA偏差 20Hz~20kHz ±0.3dB
SN比(IHF-Aネットワーク、
入力ショート)
Phono1:62dB以上(78dB以上-別カタログ記載)
Phono2 MM:62dB以上(78dB以上-別カタログ記載)
Phono2 MC:52dB以上(65dB以上-別カタログ記載)
Tuner、Aux、Tape:76dB以上
チャンネルセパレーション
(Phono-Speaker)
40dB以上(20kHz)
70dB以上(300Hz以下)
付属端子 Pre amp output:1Vrms/E・F・OUT
Main amp input:1Vrms/Hi-IMP
ヘッドホン端子:8Ωステレオヘッドホンに適合
ACアウトレット switched:2系統、250W
unswitched:1系統、150W
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力(電気用品取締法) 185W
外形寸法 幅430x高さ140x奥行350mm
重量 12.5kg