解説　

D/Aコンバーターを内蔵したプリメインアンプ。

D/Aコンバーターには、業務用デジタル(PCM)機器で培った技術から誕生した、左右チャンネル独立の「Wスーパーリニア・コンバーター」方式を採用しています。
大入力時に変換誤り(歪)がなく、2組のD/Aコンバーターを使うため、チャンネルセパレーションに優れ、左右チャンネル時間差も発生していません。
また、4倍オーバーサンプリング・デジタルフィルターを採用しており、直線位相特性を改善しています。

同軸デジタル入力は3系統搭載しており、光デジタル入力端子も装備しています。
高速C-MOSロジック回路によるデジタル・インプットセレクターを備えたデジタルオーディオ・マルチインターフェース復調回路により、サンプリング周波数の違いも、自動的に識別してD/A変換しています。

デジタルオーディオ・インターフェース復調回路部とD/Aコンバーター回路部の間をシールドしています。
また、インターフェース回路にはトランスの２次側から独立させた専用電源を設け、アナログ信号の雑音の下人となるデジタル信号の電源回路迂回を防止しています。
また、シャーシや回路基板の防振を兼ねるシールドケースで覆うことで、デジタル信号がアナログ部へ漏れるのを防止しています。

パワーアンプ部は、ハイパワー化と回路のシンプル化を追求した構成となっています。
終段には、高速・大容量トランジスタをシングルプッシュプルで使用しており、電圧増幅段は、初段に低雑音、低ひずみのオペアンプを用い、2段、3段目には、コンプリメンタリー・プッシュプル回路を採用しています。

デジタルダイレクト・インプットスイッチを搭載しており、デジタル信号はアナログ信号に変換された後、パワーアンプに直結され、ストレートな再生を可能としています。
さらに、スピーカー2端子のうち、1系統(スピーカーB)は、切り換えスイッチを介さないダイレクトコネクション方式を採用しており、伝達ロスを少なくしています。

電源部には400VAランクのトロイダルトランスと、8,200μFx4の電解コンデンサを採用しています。

アナログレコードの再生に対応するため、初段を低ノイズトランジスタ差動増幅で構成したイコライザアンプを搭載しています。

オーディオ系やデジタル系は、大型ヒートシンクを介して電源部から分離することで、影響を抑えています。

Phono用のサブソニックフィルターを搭載しています。

新設計のリセットタイプ高速プロテクション回路を採用しています。

広帯域リアルタイム・トーンコントロールを採用しています。

機種の定格

型式	デジタル・マルチインターフェース搭載プリメインアンプ
<パワーアンプ部>
定格出力(20Hz～20kHz)	100W+100W(8Ω) 120W+120W(6Ω)
入力感度/インピーダンス	CD入力:150mV/30kΩ
全高調波歪率	0.005%(20Hz～20kHz、50W、8Ω)
動特性/ダイナミックパワー	230W/2Ω
出力帯域幅	5Hz～50kHz(出力50W、0.5%、8Ω)
ライン入力周波数特性	4Hz～100kHz+0 -3dB(出力1W、8Ω)
出力インピーダンス	0.1Ω以下
出力端子	スピーカー:AorB:6～16Ω、A+B:12～16Ω ヘッドホンジャック最大出力:390mW(8Ω)、8～400Ω適合
<インターフェース/DAC部>
デジタル出力レベル/インピーダンス	同軸:0.5Vp-p/75Ω 標準光入力x1
周波数特性(0dB)	5Hz～20kHz±0.3dB
SN比(対0dB、1kHz)	105dB
ダイナミックレンジ(1kHz)	96dB
全高調波歪率(0dB、1kHz)	0.003%
<プリアンプ部>
入力感度/インピーダンス	Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:0.2mV/100Ω CD、Tuner、AUX、Tape1、2(PB):150mV/30kΩ
最大出力・定格出力	8V・150mV
全高調波歪率	0.003%(1kHz、1V)
RIAA偏差	20Hz～100kHz±0.3dB(MC.IN)
<総合>
SN比(聴感補正A、入力短絡)	Phono MM:87dB Phono MC(0.25mV入力時):70dB ライン:108dB
トーンコントロール特性	Bass:100Hz±8dB Treble:10kHz±8dB
ラウドネスコントロール特性	100Hz+7dB、10kHz+6dB
ミューティングスイッチ	-20dB
消費電力	167W
電源	AC100V、50Hz/60Hz
外形寸法	幅434x高さ143x奥行390mm(フット、つまみ、端子等含む)
重量	10.0kg