DENON PMA-510
¥49,800(1980年頃)
解説
スーパーイコライザーアンプとパワーアンプの2アンプ構成を採用したプリメインアンプ。
基本構成は、PMA-550/PMA-540で搭載したMC/MMスーパーイコライザーアンプとノンスイッチングAパワーアンプだけの2アンプ構成とし、DENONの技術を投入して完成度を高めています。
音質劣化の要因となるカップリング・コンデンサーを追放したダイレクトDCサーボ方式を採用しています。
全信号経路がコンデンサーレス設計となっており、MC入力端子からSP出力端子まで、音質に影響を与えるカップリングコンデンサーがありません。
イコライザーアンプ部は、ローノイズ・デュアルFETによるNF形DCアンプとCR形イコライジングフィルターで構成されたスーパーイコライザーを搭載しており、超広帯域化を実現しています。
また、スーパーイコライザーのメリットを発揮させるため、ゲイン、S/NともMCカートリッジに焦点を合わせて設計されています。
パワーアンプ部には、ゼロクロス・リニアバイアス回路を搭載したノンスイッチングA方式を採用しています。
ゼロクロス・リニアバイアス回路では、ハイスピード・サーマル・フィードバック回路を搭載することで、ノンスイッチング方式のメリットをさらに発展させ、電源投入時からスピーディなバイアスの安定化を図るとともに、温度変化や時間経過など外的要因に対しても高い安定性を獲得しています。
トーンコントロール部には、能動素子や大容量コンデンサーが信号経路に介在しないリアルタイム・トーンコントロール回路を搭載しています。
この回路では、受動素子をパワーアンプの帰還系に組み込む手法により、ワイドレンジでなめらかなコントロールを可能にしています。
全ての入出力端子をプリント基板と直結にし、入出力切換は非磁性体のアルミシャフトで動作させることで、ワイヤー類の引き回しを最小限に抑えています。
音質への影響を考慮しREC-OUT OFF機能を搭載しています。
また、サブソニックフィルターやラウドネスコントロールを搭載しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
<パワーアンプ部(Tuner in→SP out)> | |
定格出力(両ch駆動、正弦波連続出力、20Hz~20kHz) | 70W+70W(4Ω) 50W+50W(8Ω) |
入力感度/インピーダンス | 150mV/40kΩ |
全高調波歪率(20Hz~20kHz、定格出力-3dB) | 0.009%以下 |
混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1、定格出力相当) | 0.004%以下(25W相当振幅出力時) |
出力帯域幅(IHF、両ch駆動) | 5Hz~80kHz(THD0.1%) |
周波数特性(1W出力時) | 4Hz~150kHz +0 -3dB |
出力インピーダンス(1kHz) | 0.13Ω |
スピーカー出力 | AorB:4Ω~16Ω |
<プリアンプ部(入力感度/インピーダンスを除いてPhono in→Rec out)> | |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/50kΩ Phono MC:0.25mV/100Ω Tuner、AUX、Tape:150mV/40kΩ |
最大出力/定格出力 | 10V/150mV |
RIAA偏差(MM、MC) | 20Hz~100kHz ±0.3dB |
全高調波歪率(1kHz、6V出力時) | 0.002%以下 |
<総合> | |
SN比(IHF-A、入力短絡) | Phono MM:86dB(2.5mV入力時) Phono MC:70dB(0.25mV入力時) Tuner、AUX、Tape:104dB |
トーンコントロール | Bass:±8dB(100Hz) Treble:±8dB(10kHz) |
サブソニックフィルター | 18Hz、6dB/oct |
ラウドネスコントロール | 100Hz:+7.5dB、10kHz:+7.5dB |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力(電気用品取締法) | 130W |
外形寸法 | 幅434x高さ112x奥行390mm |
重量 | 9.2kg |