解説　

PMA-300のクオリティをそのまま引継ぎ、より完成度を高めたプリメインアンプ。

「優れた裸特性と適度な負帰還」の設計ポリシーにもとづき、定評ある米国モトローラ社のシリコンパワートランジスタ、PNP・NPNのペアによる純正コンプリメンタリー(純正相補対称出力)回路を採用しています。
これにより、完璧な対称性を示すコンプリメンタリーダーリントン回路を得ています。

スピーカーのボイスコイルで発生する逆起電力を短絡する役目をもつメインアンプの出力インピーダンスは、小さければ小さいほどダンピングが良好になります。
PMA-300Zに採用されている二電源方式のダイレクトカップルは超低域においてもダンピングが悪化しないよう配慮がされており、ダンピングファクターは可聴帯域外まで十分な値を示しています。

二電源方式でスピーカーのボイスコイルを直接ドライブさせるアウトプット・キャパシターレス(OCL)回路を採用しています。
また、素子内部の直流安定度を高めるため、厳選されたモノリシックICによる差動アンプを採用しており、測定器の増幅回路に採用されているものと同精度のICを能動素子として用いることで、同一シリコン基板上に構成された4個のトランジスタの均一な対称性と相まって、安定した動作を可能にしています。

トーンコントロール部には、中間段にFETを用いた3石構成のNF型回路を採用しています。
雑音レベルの低い領域で作動させるよう1段目のトランジスタのコレクタ電流を低減し、プリアンプと同等の40Vの電源電圧によって、能率のよいダイナミックレンジやリニアリティを得、S/Nの良い音質を得ています。

機種の定格

型式	オールシリコントランジスタステレオプリメインアンプ
<パワーアンプ部>
回路方式	純正コンプリメンタリSEPP OTL OCL回路
ミュージックパワー	22Wx2(8Ω)
定格出力(THD 0.1%以下時)	片ch駆動時:19W/19W(8Ω) 両ch駆動時:17W+17W(8Ω)
混変調歪率(60Hz:7kHz＝4:1)	0.1%以下(定格出力時)
周波数特性(1W出力時)	10Hz～100kHz -1dB
出力帯域幅(0.1%)	20Hz～20kHz -1dB
入力インピーダンス	60kΩ
入力感度	1V(出力12Vに要する入力)
ダンピングファクター	70以上(8Ω、5Hz～30kHz)
残留ノイズ	0.1μW以下(8Ω)
<プリアンプ部>
最大出力	5V(高調波歪率0.1%以下)
高調波歪率(出力1V)	0.03%(100Hz) 0.03%(1kHz) 0.03%(10kHz)
混変調歪率(60Hz:7kHz＝4:1)	0.1%以下(定格出力時)
周波数特性	10Hz～100kHz ±1dB
入力感度	Phono1:2.4mV/60kΩ Phono2:8mV/60kΩ Tuner、AUX:100mV/80kΩ
最大無歪許容入力(1kHz)	Phono1:240mV Phono2:600mV
イコライザー特性	RIAA偏差±0.8dB以内
録再コネクタ	REC/PB(DIN端子) 入力感度:500mV 出力レベル:40mV
トーンコントロール	Bass:80Hz、±11dB Treble:12kHz、±9.5dB
フィルター	Low Filter:100Hz、-6dB/oct High Filter:7kHz、-6dB/oct
<総合>
入力端子	Phono1、2 Tuner、AUX、Main Input、Tape Play(RCAジャック)
出力端子	Rec Out Speaker Out(2系統) Pre Amp Out
使用半導体	トランジスタ:25個 ダイオード:14個
電源電圧	AC100V、50Hz/60Hz
電源ヒューズ	2.3A
電源コンセント	トータル350W 電源スイッチ連動:1系統 電源スイッチ非連動:1系統
消費電力(電気用品取締法)	42W
外形寸法	幅376x高さ140x奥行302mm
重量	7kg