CORAL M-100
¥48,000(1台、1970年代中期頃?)
¥52,000(1台、1980年頃)
解説
モニターや大小ホールなどの高級PA用として開発されたドライバーユニット。
ダイアフラムにはAl、Ti、Mgなど9種類の化学成分からなる軽量硬質合金を採用しています。
この合金は、局部応力の無い独自の方式で成形した上で、600℃±2゜高性能電子炉で焼入れとエージング処理がされています。これにより物理的にも機械的にも安定度の高いダイアフラムを実現しています。
ボイスコイルは、新開発の高導電率アルミ合金リボン線をエッジワイズ巻きすることで空隙占有率を高め、変換能率を高めています。また、ボイスコイル製造工程においては全数顕微鏡チェックしており、1ターンの誤差も許さない厳しい仕様となっています。
ボイスコイルボビンには大入力や数百度の高音にも耐えうる剛性の高い高分子繊維を使用しています。
磁気回路には、漏洩磁束が少なく効率の良い内磁方式磁気回路にキャスティングマグネットNKS-5DGを採用しています。また、ヨークは磁気飽和値の高い強磁気性鋳鉄を使用し、ギャップを構成するプレートやポールは透磁率に優れた純鉄を使用しています。特にプレートは安定した直流磁場を得るためミクロン単位で全面研磨された超精密仕上げとなっています。
500Hz~18kHzの広帯域特性を実現するため、安定した亜鉛ダイカスト製二重スリット構造の位相等価器フェージングフラグ(WEタイプ)を採用しています。
M-100のダイアフラムはユニットの最後部に装着されており、通常の逆向で音が放射されます。ダイアフラムから放射された音波は、その内側に配置されたフェージングプラグの二重スリットを通り位相ずれを起すことなくユニット前面にあるスロート部に到達します。
別売専用ホーンとしてAH-500がありました。また、別売アダプターAD-1を仲介することで511Bや811Bなどのアルテック社製ホーンに接続できます。
なお、JBL製ホーンは直接M-100に接続できます。
別売で自作ホーンをマウントする専用アダプターがありました。
M-100のダイアフラムには標準仕様の他に、特別仕様のダイアフラムがありました。
このダイアフラムは野外ステージや大ホールのPA用に向けて設計されたもので、高耐入力仕様となっています。また、高性能電子炉による焼入れとエージングを施す事で硬度特性をさらに高めています。
機種の定格
方式 | ドライバーユニット |
再生周波数帯域 | 500Hz~18kHz |
インピーダンス | 8Ω、16Ω |
定格入力 | 50W RMS(500Hz~5kHzのホワイトノイズ) |
最大入力(ミュージック) | 150W |
マグネット | NKS-5DG、1kg |
磁束密度 | 19,000gauss |
スロート径 | 25.4φ |
音圧(AH-500マウント時) | 105dB/W/m |
外形寸法 | 直径116x奥行104mm |
重量 | 4.2kg |
別売 | 特別仕様ダイアフラム(¥15,000) |