解説　

コーラルのスピーカー技術と最新のテクノロジーの研究から誕生したブックシェルフ型スピーカーシステム。

低域には30cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板には新たに開発されたマイクロクリスタルコーン紙を採用しています。このコーンは、多種に亘るパルプの中から材料を厳選し、特殊な漉法によりパルプの絡み合いと適度な内部損失を持たせたコーンの表面に、比重0.3直径0.1mm程度の中空のクリスタル微粒子をコーディングした構造となっています。これによりヤング率が大きく柔軟性に富んだコーン紙が得られ、2kHz以下の分割振動を抑えています。
エッジには直線性に富んだハイリニア型のフリーエッジを採用しています。これにより中低域でのリニアリティを高めると共に、適度の機械損失を有する材質と柔軟性、耐侯性、耐老化性に優れたコーティング材の採用により中域の反射を吸収し、歪を抑えています。

中域にはソフトドーム型スコーカーを搭載しています。
ダイアフラムには、厳選された繊維から織り上げられた生地を成形し、両面に制動剤をダブルコーティングしたものを採用しています。
また、ボイスコイルにはCCAWの採用によりダイアフラムとの質量バランスを最適に保ち、高域限界を拡大するとともに過渡特性と解像度を向上させています。

高域にはハードドーム型トゥイーターを搭載しています。
厚さ18ミクロンのスーパー･ジュラルミンに精密電気炉による熱処理を施したダイアフラムを採用しており、広拡散型イコライザー(Pat,P.)を装着することで指向性と高域特性を改善しています。
ボイスコイルは軽量化を図るため高導電率アルミ合金のリボン線を採用したエッジワイズ巻となっています。

中域と高域用それぞれ独立して3段階に変化できる切換形アッテネーターを搭載しています。

ネットワークの低域用にはフェライトコア使用のコイルを採用し、大入力時にも非直線歪を生じない様に設計されています。また、高域及び中域にはマイラコンデンサーを使用しています。

エンクロージャーは指向特性を重視し、左右対称設計を採用しています。
また、素材には高密度多層構造パーティクルボードを使用し、さらに十分な補強を加えるため、側板、バッフル板、裏板に箱の振動を計算に入れて補強を施しています。
内部の吸音材には、一般的なグラスウールより吸音効果の良いエステルウール、テトロンウール及び軟式フェルト吸音材の3種類を使い定在波の発生を防いでいます。
エンクロージャー表面の仕上げは、ブラジリアンローズ天然木による突き板仕上げで、硬質ポリウレタンと層となっています。

サランネットにはジャガード織りののエステルジャージを採用しています。

機種の定格

方式	3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型
使用ユニット	低域用:30cmコーン型 中域用:ドーム型 高域用:ドーム型
再生周波数帯域	35Hz～40kHz
インピーダンス	8Ω
プログラムソース入力	80W
クロスオーバー周波数	1.5kHz、8kHz
出力音圧レベル(新JIS)	93dB/m
外形寸法	幅350x高さ580x奥行314mm
重量	17kg