CEC TL0X
¥1,890,000(税込、2005年発売)
解説
ベルトドライブ方式CDトランスポートの最高峰として発表されたCDトランスポート。
CDドライブ部での問題を解消するため、CECが長年培ってきたアナログプレイヤー設計ノウハウを投入し、回転角速度の安定化を図っています。
まず、振動の発生を抑えるため、従来モーター部に使用されていた高トルクモーターの替わりに、大幅にコギングを減少させた低トルクモーターを採用しています。これにより、CDの回転起動時に有効なトルクを与えつつ、最内周において必要な回転数である約500rpmまで、短時間のうちに到達させています。
さらに、CD再生時における1回転当たりの微細な変速量に着目し、大慣性モーメントを誇る大型スタビライザーのホイール効果を応用しており、従来のCD再生よりも安定化した回転角速度を獲得しています。内周から外周に至る極めて穏やかな減速に対しても、そのホイール効果の持続性により、安定した回転精度を得ています。また、ホイール効果をさらに生かすため、サブコードで時間情報を取得してモーターに適切なトルクを与えています。
そして、1回転以下の偏心成分による線速度の変化に対しては、全てPLLサーボで対応しています。このため、音楽再生時の全領域にわたるマクロ的回転制御は、ホイール効果を原理とする機械的メカニズムによって安定化を図り、1回転以下の極微細なミクロ的制御のみ、エレクトロニクスに担わせています。
メカニズム部は、D.R.T.S.(Double Rubbers & Triple Springs)サスペンションとティップ・トゥ(Tip-toes)型インシュレーターから形成される3点支持構造となっています。
3点でフローティングするために六角形に形成されたメカシャーシは、20mm厚アルミニウムと10mm厚真鍮の異種金属重ね合わせ構造となっています。また、最厚部で20mm厚に及ぶアルミニウム筐体の採用など、徹底した制振対策が施されています。
回転精度をさらに高めるため、吟味し、選りすぐられた材質を、超精密加工技術により丹念に仕上げた直径5mmのシャフト軸受けを採用しています。
常にクリアで安定した電源供給を実現するため、ノイズフィルター搭載の電源部を独立した構成としています。
さらに、トランスポートの心臓部ともいえるメカニズムからコントロール部も分離独立した3分割化を図るとともに、グランドレベルの低減に定評のあるスルーホール両面基板を採用するなど、信号の歪・劣化を防止する対策が講じられています。
機種の定格
型式 | ベルトドライブ式CDプレイヤー |
再生可能Disc | 一般音楽CD ファイナライズ済み音楽用CD-R/RW |
スピンドル駆動方式 | ベルトドライブ |
ピックアップ駆動方式 | ベルトドライブ |
スタビライザー | φ125mm、質量450g 慣性モーメント6.6x10-4N・m・s2 |
スピンドルシャフト | φ5mm |
サスペンション | D.R.T.S.(Double Rubbers & Triple Springs)サスペンション ティップ・トゥ(Tip-toes)型3点支持 |
メカ部シャーシ | 六角形20mm厚アルミニウムと10mm厚真鍮の異種金属2重構造 |
コントロール部筐体 | 最厚部20mm厚アルミニウム |
デジタル出力 | AES/EBU:1系統(XLR、2番ホット) Coaxial:1系統 Tos:1系統 |
電源 | ノイズフィルター付安定化電源 |
外形寸法 | 本体:幅300x高さ158x奥行317mm(スタビライザー、レッグ、ボタン含む) 電源:幅125x高さ103x奥行260mm |
重量 | 本体:16kg 電源:4kg |
付属 | スタビライザー ACケーブル リモコン スパイク受け |