オーディオの足跡

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 解説 

ベルトドライブ方式CDトランスポートの最高峰として発表されたCDトランスポート。

CDドライブ部での問題を解消するため、CECが長年培ってきたアナログプレイヤー設計ノウハウを投入し、回転角速度の安定化を図っています。
まず、振動の発生を抑えるため、従来モーター部に使用されていた高トルクモーターの替わりに、大幅にコギングを減少させた低トルクモーターを採用しています。これにより、CDの回転起動時に有効なトルクを与えつつ、最内周において必要な回転数である約500rpmまで、短時間のうちに到達させています。
さらに、CD再生時における1回転当たりの微細な変速量に着目し、大慣性モーメントを誇る大型スタビライザーのホイール効果を応用しており、従来のCD再生よりも安定化した回転角速度を獲得しています。内周から外周に至る極めて穏やかな減速に対しても、そのホイール効果の持続性により、安定した回転精度を得ています。また、ホイール効果をさらに生かすため、サブコードで時間情報を取得してモーターに適切なトルクを与えています。
そして、1回転以下の偏心成分による線速度の変化に対しては、全てPLLサーボで対応しています。このため、音楽再生時の全領域にわたるマクロ的回転制御は、ホイール効果を原理とする機械的メカニズムによって安定化を図り、1回転以下の極微細なミクロ的制御のみ、エレクトロニクスに担わせています。

メカニズム部は、D.R.T.S.(Double Rubbers & Triple Springs)サスペンションとティップ・トゥ(Tip-toes)型インシュレーターから形成される3点支持構造となっています。
3点でフローティングするために六角形に形成されたメカシャーシは、20mm厚アルミニウムと10mm厚真鍮の異種金属重ね合わせ構造となっています。また、最厚部で20mm厚に及ぶアルミニウム筐体の採用など、徹底した制振対策が施されています。

回転精度をさらに高めるため、吟味し、選りすぐられた材質を、超精密加工技術により丹念に仕上げた直径5mmのシャフト軸受けを採用しています。

常にクリアで安定した電源供給を実現するため、ノイズフィルター搭載の電源部を独立した構成としています。
さらに、トランスポートの心臓部ともいえるメカニズムからコントロール部も分離独立した3分割化を図るとともに、グランドレベルの低減に定評のあるスルーホール両面基板を採用するなど、信号の歪・劣化を防止する対策が講じられています。

機種の定格
型式 ベルトドライブ式CDプレイヤー
再生可能Disc 一般音楽CD
ファイナライズ済み音楽用CD-R/RW
スピンドル駆動方式 ベルトドライブ
ピックアップ駆動方式 ベルトドライブ
スタビライザー φ125mm、質量450g
慣性モーメント6.6x10-4N・m・s2
スピンドルシャフト φ5mm
サスペンション D.R.T.S.(Double Rubbers & Triple Springs)サスペンション
ティップ・トゥ(Tip-toes)型3点支持
メカ部シャーシ 六角形20mm厚アルミニウムと10mm厚真鍮の異種金属2重構造
コントロール部筐体 最厚部20mm厚アルミニウム
デジタル出力 AES/EBU:1系統(XLR、2番ホット)
Coaxial:1系統
Tos:1系統
電源 ノイズフィルター付安定化電源
外形寸法 本体:幅300x高さ158x奥行317mm(スタビライザー、レッグ、ボタン含む)
電源:幅125x高さ103x奥行260mm
重量 本体:16kg
電源:4kg
付属 スタビライザー
ACケーブル
リモコン
スパイク受け