B&W DM2
¥63,000(1台、1973年頃)
解説
ブックシェルフ型のモニタースピーカーシステム。
低域にはBX(Bextrene Cone)コーンを用いた20cmコーン型ウーファーであるDW200を搭載しています。
このユニットは特に重要な中音域の周波数特性及び歪特性に注目して設計されたもので、54mm径のセンタードームの付いた実効口径150mmBXコーンに加え、大入力に耐えるアルミボビンと特殊樹脂加工の38mmボイスコイル、ハイコンプライアンスのゴムエッジを使用しています。これにより中域のリニアリティと耐入力特性を改善しています。
高域にはBBCモニタースピーカーにも使用されている3.5cmドーム型トゥイーターであるHF1300を搭載しています。
超高域には1.8cmドーム型スーパートゥイーターを搭載しています。
ネットワーク部には高音域のハイパス部分に位相補正とインピーダンス補正を施した18dB/octの遮断特性を持つものを採用しています。
エンクロージャーにはB&W独自のALL方式(Acoustic Line Load System)を採用しており、従来の負荷方式に比べて低域特性を伸ばすとともに全高調波歪みとドップラー歪を低減しています。
ALL方式は一種のバックロード型ですが従来のバックロード型や迷路型と異なり、非常に短い逆ホーン型となっています。しかもホーンの内部には3種類の違った吸音材を組み合わせて詰め込まれています。このホーン長は波長の1/8に設計してあり、30Hz~60Hzのコーン・エクスカージョン(コーンのフラフラ現象)を抑え、かつこの帯域の周波数特性を用いています。また、DW200の背面の不必要な中域エネルギーを3種の吸音材によって減衰しており、高密度チップボードを用いたエンクロージャーと相まって中低域の色付けや不必要な響きを最小限に抑えています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・ALL方式・ブックシェルフ型 |
ユニット | 低域用:20cmコーン型(DW200) 高域用:3.5cmコーン型(HF1300) 超高域用:1.8cmドーム型 |
周波数特性 | 35Hz~25kHz |
最大入力 | 60W |
インピーダンス | 8Ω |
出力音圧レベル | 90dB(SPL) |
クロスオーバー周波数 | 2.5kHz、12kHz |
ネットワーク減衰度 | 18dB/oct. |
外形寸法 | 幅352x高さ644x奥行345mm |
重量 | 23kg |
別売 | ペデスタル(脚) STA/2(価格不明) |
ユニットの仕様
ユニット | DW200 | HF1300 | スーパートゥイター |
型式 | BXコーン型 | プラスチック円錐 | プラスチックドーム |
公称口径 | 200mm | 35mm | 18mm |
コーン径 | 150mm | - | |
エッジ | ゴム・ロール | - | |
ボイスコイル径 | 38mm | 21mm | 18mm |
VCインピーダンス | 8Ω | 16Ω | 8Ω |