Aurex ST-450
¥47,000(1978年頃)
解説
AM/FMの2バンド・デジタル方式やAM/FMあわせて12局のプリセット機構を搭載したデジタルシンセサイザーチューナー。
TUNINGスイッチのUP/DOWN操作によって選局をするマニュアルチューニング。UP/DOWNのボタンを操作することで、FMは自動的にスキャンし放送局の周波数でストップ、AMは9kHzステップで選局できるオートチューニング。オートまたはマニュアルで選局した後に、メモリーボタンを押すことで記憶し、いつでも呼び出せるAM6局/FM6局のプリセットチューニング。
これら3種類のチューニング方法が可能です。なお、AUTOではミューティングが働き、ステレオ放送はステレオで、モノラル放送はモノラルで受信します。MANUALでは、ミューティングはOFFとなりステレオ・モノラル放送の区別なくモノラルで受信します。また、マニュアル選局した後にAUTOに切換えることでステレオ受信が可能です。
受信周波数は7セグメントのLEDでデジタル表示されます。
フロントパネルに設けられたエアチェックキャリブレーションスイッチで、デッキの録音レベル調整用信号を取出す事が可能です。
スイッチをONにすると、受信は一時ストップし、FM50%変調時と同レベルの1kHz信号が得られます。これに合わせて調整することで、入力オーバーによるクリップ(音の潰れ)や過小入力によるSN比劣化を防ぎます。
新開発の高集積度LSIにより、従来多数のICが必要だった同調部と制御部を2つのLSIでシンプル化しています。
同調部にはLSI TC-9123Pを採用しています。
このPLL用LSIは、3.3mm角のチップの中に1,700の素子を集積しており、従来のシンセサイザーシステムのプログラム分周器に超高速動作のプリスケーラーを併用して、高い周波数までシンセサイザー化を実現しています。
コントロール機能にはLSI TC-9124Pを採用しています。
このLSIはTC-9123Pより高い集積度を持っており、4.9mm角のチップに5,400の素子を集積させ、AM/FMのバンド指定やメモリー機能/メモリーの呼出し、オート/マニュアルチューニング、周波数表示の信号出力など、多くの機能を搭載しています。
局部発信回路をPLLループの一部に組み込むことで、正確な発振周波数を作り出しキープするPLL方式を採用しています。
発振周波数の精度を保証するため、水晶を採用しています。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
回路方式 | AM/FM:PLLデジタル周波数シンセサイザー方式 |
選局 | オートチューニング(FM) プリセットチューニング(FM6局、AM4局ダイレクト) |
<FMチューナー部> | |
受信周波数 | 76.0MHz~90.0MHz |
実用感度 | 10.8dBf(0.9μV、75Ω) |
周波数特性 | 20Hz~15kHz ±1dB |
実効選択度 | 60dB(±400kHz) |
歪率 | mono:0.1% stereo:0.2% |
SN比 | mono:72dB stereo:68dB |
キャプチャーレシオ | 1.5dB |
ステレオ分離度 | 40dB(1kHz) |
定格出力 | 600mV(400Hz、100%) |
<AMチューナー部> | |
受信周波数 | 531kHz~1602kHz |
実用感度 | 300μV/m |
実効選択度 | 30dB |
イメージ妨害比 | 35dB |
SN比 | 50dB |
<総合> | |
電源 | AC100V 50Hz/60Hz |
消費電力 | 6W |
外形寸法 | 幅420x高さ57x奥行292mm |
重量 | 3.2kg |