Aurex SS-L50S/SS-L50SC
¥68,000(1台、1981年頃)
解説
カーボネイドコーンとMPチタンリング振動板を採用した3ウェイスピーカーシステム。
SS-L50SとSS-L50SCの2種類のバリエーションがありました。
2製品の違いは外観の仕上げで、SS-L50SCはランディーローズ木目調仕上げ、SS-L50Sは白木の栓の木目調仕上げとなっています。
低域には30cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板にはカーボネイドコーンを採用しています。この振動板は抄造されたコーン紙の繊維のうち、表面のみを蒸し焼きにしてカーボン化(炭化)させたもので、コーン紙の共振モードを整える事でピストン領域を拡大し、ダンピングの効いた低域と中域へのスムーズな繋がりを獲得しています。また、ダストキャップにも同様の処理が施されており、コーン中心部の補強と分割振動によるピークの発生を抑えています。
ボイスコイルにはたわみの少ないボビンと高耐熱接着剤を用いる事で120Wの耐入力を実現しています。
フレームにはアルミダイカスト製フレームを採用しています。
中域には6cmリング型スコーカーを搭載しており、駆動損失を少なく抑えると共に素直な位相特性と高い耐入力を得ています。
振動板には40μ厚のチタンリング型振動板にマイクロ波プラズマ(MP)法による窒化処理を行ったものを採用しており、ピストン領域を拡大する事で分割振動によるピークをクロスオーバー周波数の外へ追放し、歪の少ない特性を得ています。さらに、内周外周ともにタンジェンシャル構造とし、大入力時のローリング現象を予防すると共に不要振動による3次歪を中心とする歪を低減しています。
磁気回路には90φx15tの大型フェライトマグネットを採用すると共に適切な磁気回路の設計によって単体95dBの高能率を実現しています。
高域には3cmリング型ツィーターを搭載しています。
振動板にはスコーカーと同様にMPチタン振動板を採用しています。これにより超高域における分割振動は可聴帯域外に追放しており、20kHzまで殆フラットな特性を実現しています。
さらに、リング振動板にホーン負荷をかける事で過渡特性や能率の向上を図っています。
ネットワーク部には、銅蒸着のHiΛ(ハイラムダ)コンデンサやΛコンデンサ、アルミ蒸着厚を倍にとったUΣ(ユーシグマ)コンデンサを採用しており、低損失、低歪化を促進しています。
レベルコントロールを搭載しています。
エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しています。
内部の定在波やエンクロージャー自身の不要共振による音質劣化を防ぐため、コンピューター解析を行い、適切な箇所に補強板を入れています。また、素材としては高密度・長繊維の20mm厚パーチクルボードを採用しています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
使用スピーカー | 低域用:30cmコーン型 中域用:6cmリング型 高域用:3cmリング型 |
周波数特性 | 35Hz~30kHz(SPL-10dB) |
インピーダンス | 8Ω |
最大入力 | 120W |
定格入力 | 60W |
出力音圧レベル | 92dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 1.5kHz、7kHz |
レベルコントロール | 中域/高域、各連続式 |
内容積 | 約50リットル |
外形寸法 | 幅370x高さ670x奥行328mm |
重量 | 22kg |
別売 | スピーカースタンド AA-50(2台1組、¥5,000) |