Aurex SY-C15/SY-C15K
¥55,000(1978年頃)
解説
コンパクト設計のDCコントロールアンプ。
イコライザーとトーン(フラット)アンプの2ブロック構造を採用しており、どちらもNF(負帰還)のコンデンサーを排除したDCアンプ構成となっています。
イコライザーアンプ部の初段には新開発のデュアルFET(2SK146)を採用しています。また回路構成は差動2段・全段直結OCLとなっており、出力段はSEPPで、出力インピーダンスを低くとることで負荷に対する安定度を高めています。
RIAA素子にはフィルムコンデンサーやスチロールコンデンサー、カーボン抵抗を選別して用いており、偏差±0.2dBに納めています。
電源は±2電源方式で、±32Vの電圧を加えています。また、ゲインは約34dBとなっています。
トーンアンプ部は初段にデュアルFETを用いた差動2段・全段直結回路で、出力はSEPPとなっています。イコライザーと同じく±2電源方式を採用することで、広いダイナミックレンジを確保しています。
ディフィートスイッチを入れるとNF回路のトーン素子がキャンセル状態となり、ゲインを失わずにフラットアンプとして動作します。
イコライザーダイレクトスイッチを搭載しており、トーンアンプを完全にジャンプし、イコライザー出力をそのまま出力できます。
トーンアンプのゲインは17dBなので、このゲインをキャンセルすることでミューティングスイッチとして兼用することも可能です。
アウトオフスイッチを搭載しており、音量をゼロにすることができます。
グリーンLEDによるファンクションインジケーターを搭載しています。また、電源ONの表示はボリュームの指針と兼用となっています。
LED電源は、トランスの巻線を別に設けており、基本回路に負担をかけないように設計されています。
キャビネットにはスリーピース構造を採用しており、前面と天板が一体、底面と側板が一体、背面端子板ので構成されています。材質はアルミ引き抜きで、前面5mm、それ以外は3mm厚となっています。
底背面以外にビスが見えない構造となっています。
金メッキ端子を採用しています。
シルバーカラーのSY-C15とブラックカラーのSY-C15Kの2色のカラーバリエーションがありました。
機種の定格
型式 | コントロールアンプ |
入力感度/インピーダンス | Phono1/2:2.5mV/47kΩ Tuner、Aux、Tape:150mV/47kΩ |
出力電圧/インピーダンス | Rec out:150mV/150Ω Output:1.0V/150Ω(EQ Directで約17dBダウン) |
Phono最大許容入力 | 300mV(RMS、1kHz) |
RIAA偏差 | 20Hz~20kHz ±0.2dB |
周波数特性(Aux) | 10Hz~100kHz +0 -2dB |
高調波歪率 | 0.01%(1kHz、1V出力時) |
SN比(IHF-Aネットワーク) | Phono:88dB Aux:106dB |
トーンコントロール | Bass:±10dB(100Hz) Treble:±10dB(20kHz) |
サブソニックフィルター | 10Hz、6dB/oct. |
使用半導体 | トランジスタ:25個 ダイオード:8個 FET:6個 LED:7個 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 10W |
外形寸法 | 幅257x高さ54x奥行208mm |
重量 | 2.7kg |