解説　

機能をそこなわずに特性・音質を重視したシンプルな回路構成を実現したプリアンプ。

SY-77の回路は正負2電源で±70Vの高い電圧がかけられる設計を採用sいており、システムの初段として十分な余裕を確保しています。

フラットアンプ部には初段カスコード接続、差動2段ピュアコンプリメンタリー回路を採用しており、パワーアンプ並の構成とすることでイコライザーの特性を十分に発揮させています。
また、出力段はパラレルプッシュプルのA級動作とし、出力インピーダンスを600Ωとして接続による特性変化を最小限に出来るよう使いやすさを検討しています。

トーンアンプ部にも正負2電源構成を採用しており、低歪率と安定動作を追求し、トーン回路挿入によるクオリティ劣化が起きないことを第一に聴感上の音質設計が施されています。回路構成には差動1段を含む2段直結アクティブロード回路を採用sいています。また、ボリュームには1ステップ2dBのディテントボリュームを使用しており、正確な調整を可能にしています。
また、トーン回路はスイッチ切換によって切り離しが可能となっています。

電源部にはセパレート電源を採用しており、トランス巻線を左右独立とする事でチャンネル間の干渉を排除しています。
また、イコライザー、フラットアンプ、トーンアンプへの電源供給は各段独立の正負 2電源とした左右独立・定電圧6電源方式としており、チャンネル間や段間の影響を抑えています。
トランスにはカットコアタイプを採用しており、さらに電源部全体の低インピーダンス化を徹底しています。

イコライザーアンプ部は低雑音差動2段・3段直結アクティブロードA級動作回路を採用しており、±70Vの高い電圧をかけることで600mV(RMS、1kHz)という大きな耐入力特性を実現しています。
Phono2端子はカートリッジに合わせて負荷抵抗と容量の切換えが可能です。

出力端子は2系統設けられています。
この2系統のうちOutput2の方はコンデンサーレスとなっています。

Rec out端子とPre out端子にはリードリレーが設けられており、電源ON/OFF時のノイズを取り除いています。SY-77では、信号がリレーを通過することで音質劣化が起こるのを防ぐため、出力ショート方式を採用しています。

ボリュームには片チャンネル2連の4連ディテントボリュームを採用しており、フラットアンプの前後で調整することでボリュームを絞りきった時の残留ノイズを抑えています。

サブソニックフィルター、モード切換、ミューティング(インジケーター付き)を装備しています。

独自のコンピューターシステムCADISによる実測特性表が1台毎に添付されており、特性と品質を保証していました。

別売りオプションとしてキャリングハンドルがありました。
このハンドルを用いる事でJIS規格標準ラックにマウントが可能です。

機種の定格

型式	コントロールアンプ
回路方式	イコライザーアンプ:差動2段3段直結アクティブロード(A級) フラットアンプ:差動2段ピュアコンプリメンタリパラレルプッシュプル(A級) トーンアンプ:差動1段2段直結アクティブロード
入力感度/インピーダンス	Phono1:2.0mV/47kΩ Phono2:2.0mV/47kΩ、100kΩ/20pF、240pF Tuner、Aux、Tape1/2:150mV/50kΩ
出力電圧/インピーダンス	Tape Rec: Output: 150mV/3.3kΩ 1.0V/600Ω(50kΩ負荷、定格) 1.0V/600Ω(50kΩ負荷、最大)
Phono最大許容入力	600mV RMS(1kHz)
Phono RIAA偏差	20Hz～20kHz ±0.2dB
高調波歪率	Phono: Aux: 0.012%(1V出力時、1kHz) 0.004%(3V出力時、1kHz) 0.002%(10V出力時、1kHz) 0.003%(3V出力時、1kHz) 0.002%(10V出力時、1kHz)
周波数特性	Aux:10Hz～100kHz +0 -1.0dB
S/N比(IHF-Aネットワークショート)	Phono:75dB Aux:90dB
トーンコントロール	Bass:±10dB(20Hz)、2dBステップ Treble:±10dB(50kHz)、2dBステップ
サブソニックフィルター	10Hz、12dB/oct
ミューティング	-26dB
使用半導体	トランジスタ:59個 ダイオード:42個
ACアウトレット	switched:2系統、400W unswitched:1系統、400W
電源	AC100V、50Hz/60Hz
消費電力	26W
外形寸法	幅450x高さ93x奥行379mm
重量	9.5kg
別売	キャリングハンドル TO-1(2個1組、￥3,000)