Aurex SC-77
¥120,000(1台、1976年頃)
解説
薄型構造でモノラルアンプの魅力を追求したモノラルパワーアンプ。
回路は初段をカスコード接続とした差動2段を含む3段ダーリントン接続の全段直結純コンプリメンタリーOCL回路を採用しています。
ドライバー段までの回路は低インピーダンス定電圧回路で電源を供給しており、安定化を図ると共に小出力時のSN比と歪率を改善しています。
また、入力部には無誘導メタライズド・ポリエステルフィルムコンデンサーを使用しており、電解コンデンサーを排除する事で音質劣化を抑えています。
電源部には大型トロイダルトランスと低倍率タイプの11,000μF電解コンデンサーを2本搭載しています。
低倍率コンデンサーはエッチングの面積比倍率を10~12倍に抑えた構造となっており、大容量ながら電流通路が太いため電流密度が大きくなり、電極の直流インピーダンスを低下させることに成功しています。また、陽極箔の数ヶ所から電極を出す多端子構造とすることで交流インピーダンスも下げています。
A級回路とB級回路の電源を分けた構成となっており、構造配置的にもB級回路の波形がA級回路に飛び込まないよう検討されています。
純銅板アースラインや70μ厚銅箔のPC板などを採用しており、信号系の低インピーダンス化が図られています。
初段のNF量を変える入力ゲイン切換えスイッチを搭載しており、感度を約10dB向上させることができます。
プリアンプのイコライザー出力でダイレクト駆動する場合などに活用できます。
サブソニックフィルターを搭載しています。
アッテネータータイプのレベルコントロールを搭載しています。
レベルメーター検出の専用出力端子を備えています。
コンピューター(CADIS)による実測データシートが添付されています。
別売りオプションとしてキャリングハンドルがありました。
機種の定格
型式 | モノラルパワーアンプ | ||
回路方式 | 初段カスコード・差動2段・3段ダーリントン 全段直結純コンプリメンタリーOCLパラレルプッシュプル |
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連続出力(20Hz~20kHz、歪0.05%) | 120W(8Ω) 170W(4Ω) |
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高調波歪率 |
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混変調歪率(50Hz:7kHz=4:1) | 0.08%(連続出力時) 0.03%(1W出力時) |
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出力帯域幅(IHF) | 5Hz~100kHz(0.1%歪率) | ||
周波数特性 | 5Hz~100kHz +0 -1dB(1W出力時) | ||
入力感度/インピーダンス | 1.6V/50kΩ ※スイッチ切換えによって感度10dBアップ可能 |
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ダンピングファクター | 50(8Ω) | ||
SN比(IHF-Aネットワーク) | 115dB | ||
残留雑音 | 0.3mV | ||
サブソニックフィルター | 10Hz、12dB/oct. | ||
使用半導体 | トランジスタ:32個 ダイオード:21個 |
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電源 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
消費電力 | 165W | ||
外形寸法 | 幅450x高さ93x奥行375mm | ||
重量 | 11kg | ||
別売 | キャリングハンドル TO-1(左右1組、¥3,000) |