Aurex SB-820
¥135,000(1976年頃)
解説
ワイドレンジ・低歪率化を追求したステレオプリメインアンプ。
メインアンプ部は初段カスケード接続の差動アンプ2段を採用しており、動特性の向上と安定化を図った全段直結純コンプリメンタリーOCL回路となっています。また、3段直結ダーリントン接続のドライバー段を定電流駆動しており、微小信号時の歪を大幅に低減しています。
出力段は高コレクタ損失で余裕のあるトランジスタを用いたシングルプッシュプル駆動となっています。
プリアンプ部のイコライザー回路には差動2段のアクティブロードA級動作回路を採用しており、±70Vの高電圧をかけることで高い許容入力を得ています。また、RIAA素子には高精度の金属皮膜抵抗とプラスチック・フィルムコンデンサーを使用しており、偏差±0.2dBという優れた特性を得ています。
さらに、全段にわたって低雑音トランジスタでSN比を高めるとともに±2電源低電圧回路を設け、しかも電源トランスの巻線はプリ用を別巻にするなどによって雑音や不安定動作を排除しています。
トーンアンプ部はFETを用いた差動1段を含む2段直結アクティブロードのNF型を採用しています。
この回路にも安定度の高い±2電源を採用しています。
電源部には大型カットコアトランスと15,000μFx2の電解コンデンサーを採用しています。
3台のテープデッキが使用できるデュプリケートスイッチを搭載しています。
電源投入後、回路が安定するまでスピーカー端子を切り離すミューティング回路を搭載しています。
また、スピーカーとトランジスタを守る自動復帰・リレー式の保護回路も搭載しています。
ボリューム部にはギャングエラーの少ない高精度アッテネーター式ボリュームを採用しています。
このボリュームは相互偏差やステップ偏差が±0.2dBに抑えられています。
実測のデータシートが付属しています。
入力感度(Phono、Aux)、連続出力、高調波歪率、SN比、Phonoの最大許容入力、周波数対歪率特性、RIAA偏差の合計7項目が掲載されています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ | ||
回路方式 | 全段直結純コンプリメンタリーOCL回路 | ||
<パワーアンプ部> | |||
出力(両ch駆動) |
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高調波歪率 | 0.1%以下(連続出力時) 0.05%以下(1W出力時) |
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混変調歪率 | 0.1%以下(連続出力時) 0.05%以下(1W出力時) |
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出力帯域幅(IHF) | 6Hz~100kHz(8Ω) | ||
ダンピングファクター | 40(8Ω、1kHz) | ||
残留雑音 | 0.3mV | ||
<プリアンプ部> | |||
入力感度/インピーダンス | Phono1:2.0mV/50kΩ Phono2:2.0mV/47kΩ、100kΩ Aux、Tuner、Tape:150mV/50kΩ |
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録音出力 | Tape rec:150mV Din:30mV |
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イコライザー許容入力 | MAG:600mV(RMS) | ||
RIAA偏差 | ±0.2dB | ||
SN比(IHF) | Phono:73dB Aux:90dB |
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高調波歪率 | 0.01%(連続出力時) | ||
周波数特性 | 10Hz~50kHz -1dB | ||
トーンコントロール |
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ミューティング | -10dB、-20dB | ||
フィルター | Low:30Hz、10Hz、12dB/oct High:8kHz、20kHz、12dB/oct |
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<総合> | |||
使用半導体 | トランジスタ:64個 ダイオード:29個 LED:4個 |
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電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
消費電力 | 215W | ||
外形寸法 | 幅450x高さ148x奥行375mm | ||
重量 | 16kg |