Aurex SB-620
¥85,000(1976年頃)
解説
パワーとクオリティの両立を図ったプリメインアンプ。
パワーアンプ部には全段直結純コンプリメンタリーOCL回路を採用しています。
イコライザーアンプ部は±55Vの高い電圧をかけることで400mVの高耐入力を実現しています。また、RIAA素子には高精度の金属皮膜抵抗とプラスチック・フィルムコンデンサーを使用しており、偏差を±0.2dB以内の精度を達成しています。
回路は差動1段の3段直結回路となっています。
トーンアンプ部は変化特性が素直なNF型となっており、差動1段を含む2段直結回路で構成されています。
この回路も±2電源構成となっています。
電源部にはフラックスが少なくレギュレーションの安定した大型カットコアトランスと10,000μFx2の大容量電解コンデンサーを採用しています。また、電源トランスの巻線をプリ用別巻線とした設計となっており、プリ部は全段にわたって定電圧±2電源でドライブしています。
2台のデッキ間でコピー動作ができるデュプリケートスイッチを搭載しています。
また、テープ2端子をフロントパネルにも装備しています。
電源投入時のミューティング回路や、リレーを用いてスピーカーとトランジスタを守る自動復帰保護回路を搭載しています。
ボリュームには左右チャンネルの連動誤差の少ないアッテネーター式ボリュームを使用しています。
このボリュームは22点クリックの高精度タイプとなっています。
トーンコントロールはターンオーバー周波数が高低各2段切換えとなっており、ディフィートポジションを装備しています。
3段階切換式のミューティング回路を搭載しています。
ローフィルターとハイフィルターはそれぞれ2段切換えが可能です。
実測データシートが付属しています。
このデータシートでは入力感度(Phono、Aux)、連続出力、高調波歪率、SN比、Phono最大許容入力、周波数対歪率特性、RIAA偏差の7項目が記載されています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ | ||
回路方式 | 全段直結純コンプリメンタリーOCL回路 | ||
<パワーアンプ部> | |||
出力(両ch駆動) |
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高調波歪率 | 0.2%以下(連続出力時) 0.05%以下(1W出力時) |
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混変調歪率 | 0.2%以下(連続出力時) 0.05%以下(1W出力時) |
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出力帯域幅(IHF) | 6Hz~60kHz(8Ω) | ||
ダンピングファクター | 30(8Ω) | ||
残留雑音 | 0.5mV(8Ω) | ||
<プリアンプ部> | |||
入力感度/インピーダンス | Phono1、2:2.0mV/50kΩ Aux、Tuner、Tape:150mV/50kΩ |
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録音出力 | Tape rec:150mV DIN:30mV |
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イコライザー許容入力 | MAG:400mV(RMS) | ||
RIAA偏差 | ±0.2dB | ||
SN比(IHF) | Phono:73dB Aux:90dB |
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高調波歪率 | 0.05%(連続出力時) | ||
周波数特性 | 10Hz~50kHz -1dB | ||
トーンコントロール |
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ミューティング | -10dB、-20dB | ||
フィルター | Low:30Hz、10Hz High:8kHz、20kHz |
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ラウドネス | +9dB(100Hz)、+3.5dB(10kHz) | ||
<総合> | |||
使用半導体 | トランジスタ:50個 ダイオード:25個 |
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電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
消費電力 | 145W | ||
外形寸法 | 幅450x高さ148x奥行375mm | ||
重量 | 14kg |