オーディオの足跡

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Partita P2の画像
 解説 

数十ワットの規模で音の良さを追求したモノラルパワーアンプ。

出力段にはパワートランジスタを2個パラレルで用いており、4Ω以下の負荷に大して100ワットを超える最大出力を余裕を持って動作させています。

パラレル接続時は各トランジスタの動作の不揃いによって各トランジスタの発熱に差が生じます。加えて信号電流の変化による微妙なシリコンチップの振動にも差が生じます。この出力段の問題を解決するため、コレクターから出力を出す方法を採用しています。
この回路にTO-3金属パッケージのパワートランジスタを使用した場合、トランジスタの内部構造はコレクターがケースに接続されているため、プラス側マイナス側の合計4個のトランジスタのケースが電気的に同一となるため、一般的なエミッタ出力回路のように個々のトランジスタをマイカなどで絶縁する必要がなくなります。
これにより各パワートランジスタは熱的・機械的により強く結合され、1個の大型パワートランジスタのような理想的な動作状態に近づきます。

入力段にはリニアリティが良く音質も優れたダーリントン・バイポーラ・トランジスタを採用しています。
一般のパワーアンプの入力素子には、入力インピーダンスが高く入力コンデンサを省けるためFETが用いられますが、FETはリニアリティや利得の点でバイポーラトランジスタに及ばず、パルティータP2の入力インピーダンスは実用上充分な値で入力コンデンサを必要としていません。

パワー段のアイドリング電流は必要最小限に抑えられており、発熱量を少なくする事で小型化に貢献しています。
パワー段のみを考えた場合、アイドリング電流は大きい方が特性的に有利となりますが、回路全体のチューニングによってA級動作に負けない性能を引き出しています。

パーツ類にはアメリカ製のMILグレード電解コンデンサやモトローラのトランジスタなど、内外の優れたパーツを採用しています。

電源部にはRコア電源トランスを採用しています。
ALTシリーズと同様に独自のノイズフィルター回路を搭載しています。

バイワイヤリング用としてスピーカー端子は2系統装備しています。

機種の定格
型式 モノラルパワーアンプ
最大出力 50W(8Ω、5Hz~20kHz、0.1%以下)
100W(4Ω、5Hz~20kHz、0.1%以下)
120W(2Ω、5Hz~20kHz、0.1%以下)
周波数特性 5Hz~50kHz +0 -1dB(8Ω、1W)
入力感度/インピーダンス 1V(RMS)/22kΩ
利得 26dB
消費電力 180W(最大)
外形寸法 幅430x高さ101x奥行285mm
重量 10.9kg(電源ケーブル含まず)