オーディオの足跡

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AR-LSTの画像
 解説 

30Hzから20kHzの周波数範囲での試験・研究用として、厳しい条件のもとでの音響再生に耐え得るように設計されたスピーカーシステム。
LSTはLaboratory Standard Transducerの略です。

ユニットにはAR-3aに使用されているものと同じものが採用されています。
低域には30cmコーン型ウーファーを搭載し、中域には3.8cmドーム型ミッドレンジを4個、高域には2cmドーム型トゥイーターを4個搭載しています。各々4個の中高域用ユニットは、許容入力を増大させる目的で使用されており、直列・並列接続がされています。

ネットワーク回路には、0~6dBを1dBステップでコントロールできるタップ付きオート・トランスを搭載しています。そして各ユニットは、3回路6接点のセレクタスイッチを介してオートトランスのタップに接続されており、出力レベルの調整が可能になっています。
また、オート・トランスには5,000μFのコンデンサが直列に挿入されており、トランスの誘導リアクタンスが減少する周波数帯域の下限付近において、アンプに対する不必要な負荷変動が起きるのを防止しています。

セレクタスイッチのポジション1では、ウーファーの出力に対してトゥイーターの出力が2dB上がるような、高い周波数になるほど少しずつ音響出力が高くなるレスポンスが得られます。
また、ポジション2ではほぼフラットなレスポンスが得られ、ポジション3と4では中高域のレベルに対して低域のレベルが2dBずつ高くなっていくレスポンスが得られます。
さらに、ポジション5と6はAR-3aのレベルコントロールがノーマルの位置にある時のレスポンスに近くなっており、ポジション6はトゥイーター領域のレベルがポジション5よりも2dB低いレスポンスを持っています。
なお、ミッドレンジの出力レベルは、スイッチのポジションが変化しても音質が変わらないように一定のレベルを保つようになっています。

AR-LSTのスイッチ・ポジション1や2では、トゥイーターの出す高域の出力は相当高いレスポンスを示します。LSTの場合4個のトゥイーターによって分割負担となってはいますが、超高周波領域での過大入力(ボリュームを下げない状態でテープレコーダーの早送りや巻戻しを行うなど)を防止するよう注意が必要となっています。

保護ヒューズを内蔵しています。

機種の定格
方式 3ウェイ・9スピーカー・アコースティックサスペンション方式
・ブックシェルフ型
使用ユニット 低域用:30cmコーン型
中域用:3.8cmドーム型x4
高域用:2cmドーム型x4
インピーダンス 4Ω(セレクタースイッチのポジションによって変化)
音質切換 6段階セレクト可能
許容入力 180W(10秒間)
60W(30秒間)
32W(長時間連続)
歪率(入力10W時) 5%以下(40Hz)
2%以下(100Hz)
クロスオーバー周波数 575Hz、5kHz
外形寸法 幅689x高さ508x奥行248mm
重量 40.5kg