AR(Acoustic Research) AR-9
¥278,000(1台、1980年頃)
解説
高出力パワーアンプへの対応も充分に考えたて設計された、バーチカルシリーズの大型トールボーイスピーカーシステム。
低域には30cmコーン型ウーファーを2個採用しており、エンクロージャーの両サイドに配置した構成となっています。さらにクロスオーバー周波数を200Hzとすることで、スピーカーと背壁の間で発生するウォールディップ現象を解消しています。
中低域には20cmコーン型、中高域には3.8cmドーム型、高域には1.9cmドーム型のユニットが搭載されています。
中低域のユニットはサブエンクロージャーに搭載されており、内部での相互干渉を防止しています。
また、中高域、高域のユニットのボイスコイルとヨークの間に、NASA開発の磁気を帯びたコロイド状のマグネティック・フルーイドを入れ、中心軸からブレ無い構造として歪低減を図ると共に、耐入力を改善しています。
ネットワーク部には、低域用として、独自に開発されたエレクトロニック・オートマチック・トランスミッションが採用されています。
これは、オートマチック車のミッションのように低域特性を電気的に自動コントロールし、低域出力を低下させることなく共振周波数でダンピングが最大になるよう動作を行い、共振周波数を超えた分についてはバススペクトルを超えてもフラットな特性が確保されるよう電気的に切換ります。
また使用素子には、17AWG空芯コイルやコンピューター級電解コンデンサー、高耐入力セラミック抵抗などが採用されています。
エンクロージャーにはAR伝統のアコースティックサスペンション方式を採用しています。
この方式では、内部を完全密閉することで空気がスプリングの役目を果し、コンプライアンスを大きくすることができ、低域共振周波数をより低くする事が可能となっています。
また、ドライバーユニットの周りに特殊吸音材であるアコースティック・ブランケットを取付け、反射音による音質劣化を防いでいます。
仕上げはウォールナットオイル仕上げとなっています。
機種の定格
方式 | 4ウェイ・5スピーカー・アコースティックサスペンション方式・トールボーイ型 |
使用ユニット | 低域用:30cmコーン型x2 中低域用:20cmコーン型 中高域用:3.8cmドーム型 高域用:1.9cmドーム型 |
周波数特性 | 18Hz~30kHz |
低域再生周波数 | 28Hz -3dB |
システムQ | 0.5 |
出力音圧レベル | 87dB/W/m |
インピーダンス | 4Ω(最小3.2Ω) |
連続最大入力 | 175W |
最大入力 | 400W |
クロスオーバー周波数 | 200Hz、1.2kHz、7kHz |
レベルコントロール | 低域:自動 中低域:3段切替 中高域:3段切替 高域:3段切替 |
内容積 | 120L |
外形寸法 | 幅381x高さ1340x奥行402mm |
重量 | 59kg |