AKAI X-100D
¥59,500(1965年発売)
解説
クロスフィールドヘッドを採用したテープデッキ。
ヘッド部にはクロスフィールドヘッドを採用しています。
このヘッドはアカイが初めて実用化に成功したヘッドです。従来の録音方式では信号電流とバイアス電流を一緒に録音ヘッドに加えていますが、幅の広いバイアス磁界の影響で録音した信号が消されたり弱められていました。
クロスフィールド方式では信号電流は録音ヘッドに、バイアス電流は外側のバイアス専用ヘッドに加えられるようにし、さらに各ヘッドは相対的にずらした既定の空間位置にある事で、テープ上に記録される信号はバイアス磁界の悪影響を受けません。
モーターにはヒステリシスシンクロナス2スピードモーターを採用しています。
また、アンプ部はオールシリコントランジスタソリッドステートプリアンプを採用しています。
オートマチックシャットオフ機構やテープクリーナー、DINジャック、ステレオヘッドホンジャック、3桁テープカウンター、VUメーターを搭載しています。
ユニバーサル方式の電源電圧選定装置を採用しており、AC100V~240Vの間で自由に電圧を変更可能です。また、50Hz/60Hzのどちらでも使用できます。
水平・垂直のどちらの状態でも使用できます。
アダプターを用いることで38cm/sにも対応しています。
機種の定格
型式 | テープデッキ |
テープ速度 | 4.75cm/s(1 7/8inch/s) 9.5cm/s(3 3/4inch/s) 19cm/s(7 1/2inch/s) 38cm/s(15inch/s、アダプター使用時) |
ワウフラッター(再生時) | 0.15%RMS以下(19cm/s) 0.25%RMS以下(9.5cm/s) 0.35%RMS以下(4.75cm/s) |
周波数特性 | 19cm/s:30Hz~23kHz ±3dB 9.5cm/s:30Hz~18kHz ±3dB 4.75cm/s:30Hz~9kHz ±3dB |
全高調波歪率 | 3%以下(1kHz、0VU) |
SN比 | 45dB以上 |
入力レベル | Mic(ジャック):0.5mV以上 Line(ジャック):50mV以上 |
出力レベル | 0VU(1.23V RMS) |
録音(再生)補償特性 | NARTB特性 |
録音バイアス周波数 | 60kHz |
録音レベル指示 | VUメーターx2 |
録音方式 | 4トラックステレオ/モノラル、クロスフィールドバイアス方式(特許 第451906号) |
早送り、巻戻し方式 | 各90秒(370mテープ、50Hz) 各75秒(370mテープ、60Hz) |
録音時間 | mono:8時間(370mテープ、4.75cm/s) stereo:4時間(370mテープ、4.75cm/s) |
ヘッド | 録音/再生ヘッド:4トラック ステレオ/モノラル(ローインピーダンス、1kHz、1kΩ) バイアスヘッド:4トラック ステレオ(ローインピーダンス、60kHz、500Ω) 消去ヘッド:4トラック ステレオ(ローインピーダンス、60kHz、300Ω) |
モーター | ヒステリシスシンクロナス2スピードモーター |
使用半導体 | トランジスタ:11個 ダイオード:2個 リクティファイアー:2個 |
電源電圧 | AC100V~240V間で6段階切換、50Hz/60Hz |
消費電力 | 55VA |
外形寸法 | 幅340x高さ340x奥行230mm |
重量 | 13.5kg |