AKAI GXC-75D
¥92,800(1970年代前半頃?)
解説
オートリバース録音・再生が可能なカセットデッキ。
2個のフライホイール・2個のキャプスタンを機械に取り付け、ドライブベルトを常に一定方向に駆動させるテープ駆動方式により、往復同一特性のオートリバース録音・再生を可能にしています。
操作はリバースモードセレクターを望みのモードにセットするだけで行えます。
ヘッドにはGXヘッドを採用しています。
パーマロイや一般のフェライトと違い、優れた磁気特性をほこるシングルクリスタルからできており、コア全体は単一の結晶体なので耐摩耗性が優れており、さらに同一の摩耗特性をもつ超硬質ガラスで包まれています。
これにより、ヘッド全体の形状を理想的につくることができ、イコライザーの補償量の小さなフォーカス上の鋭い磁界を作り、ダイナミックレンジやS/N、歪率の優れた録音/再生が可能です。
リバースモードセレクターを搭載しています。
一方向片道だけの録音/再生をする場合はNonに、一往復のオートリバース録音/再生をする場合はSingle、連続再生を行う場合はContにセレクターをセットして行います。
このセレクターがContにセットされたまま録音状態にした場合は、自動的にSingleに切換えられます。
A.D.R(Automatic Distortion Reduction)システムを搭載しており、入力信号のレベルによって録音イコライザーを自動的に変化させてテープのダイナミックレンジにあわせて録音するので、高域のリニアリティの良い部分での録音が可能になり、先の歪や減磁作用による記録信号の減少などもなくなり、ハイレベルでのf特劣化や歪、ビートを抑えています。
ドルビーシステムを搭載しています。
ドルビーシステムは原理的には、テープに録音する際に、入力信号がある一定レベルより低い音域のみの場合や全体の音量が小さく雑音が目立つ様な時に、自動的に音量をあげて全体の音量差を圧縮させます。そして再生時には自動的に増強された量だけ減衰し、元通りのバランスに戻すというシステムで、これにより再生時には原音と変わりなく取り出され、雑音も低減されています。
ドルビー切換スイッチをONにすると高品位な再生音が楽しめます。
O.L.S(Over-Level Suppressor)回路を搭載しており、スイッチを切り換えることにより、レベルをオーバーしたときや、瞬間的に過大な入力が入った場合でも音を歪まさず歪率をおさえます。
テープ切換スイッチを搭載しており、クロームテープを使用する場合にはChrome側に、その他のローノイズテープをしようする場合はLow
Noise側にスイッチを倒します。
これにより周波数補償量をかえてテープの性能を引き出せます。
各操作を正確に指示するカラー表示ランプ、プログラムの頭出しに便利なメモリーボタンつき3桁インデックスカウンター、大型UVメーター、一時停止ボタン、オートマチックストップなどの機能を搭載しています。
モーターにはヒステリシスシンクロナスモーターを採用しています。また、アンプ部は低雑音・低歪率シリコントランジスタアンプを採用しています。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
トラック方式 | 4トラック2チャンネルステレオ方式 |
ワウ・フラッター | 0.12%Wrms以下 |
周波数特性 | クロームテープ使用:40Hz~16000Hz ローノイズテープ使用:40Hz~14000Hz |
歪率 | 1.5%以下 |
S/N | 50dB以上 ドルビー:58dB |
ヘッド | 3ヘッド |
モーター | ヒステリシスシンクロナスモーターx1 |
早送り/巻戻し時間 | 90秒以内(C-60型カセットテープ使用) |
出力ジャック | Line:0.775V(0VU)/100Ω(最適負荷インピーダンス20kΩ以上) ヘッドホン:30mV/8Ω |
入力ジャック | マイクロホン:0.5mV/4.7kΩ ライン:60mV/200kΩ |
DINジャック | 0.4V/90mV(High)/5mV(Low) |
使用半導体 | トランジスタ:41個 ダイオード:44個 |
外形寸法 | 幅460x高さ146x奥行302mm |
重量 | 8.0kg |
付属 | コネクションコードx2 |